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SANにも“Dellモデル”適用を目指す、デルの格安ストレージ


Dell|EMC AX100

デル 代表取締役社長 浜田 宏氏
 デル株式会社は5月27日、中堅・中小企業向けのSAN対応ファイバチャネルストレージ「Dell|EMC AX100」を同日より販売開始すると発表した。同製品はWindows、Linuxの両プラットフォームに対応しており、価格は994,350円から。デルの代表取締役社長 浜田 宏氏が「世界ではじめての、100万円を切る本格的なSAN対応製品」と述べたように、従来同社が提供していた下位モデルのCX300と比べても、最小構成で半額程度の価格となっている。

 AX100は、2Uサイズの筐体にシリアルATA HDDを最大12本搭載可能なストレージアレイ。従来よりDell|EMCブランドで販売されている「CX 300/500/700」の下位レンジを補完するものとなる。現在同社のストレージビジネスは、「ワールドワイドでは25%、日本ではその数倍の伸びを示している」(浜田氏)という好調ぶり。このうち、一番上の分野となるSANストレージは、比較的規模の大きなアプリケーション、データベース向けに展開されていたが、今回は中小企業で利用される小規模ERPのストレージ、ファイルサーバーなどの用途を想定。浜田氏は「当社の参入によって、IAサーバーの市場価格は1/3程度になった。今後はSANの世界でもデルのビジネスモデルを展開する」と、製品ラインアップの拡充によって、今まで以上に幅広い顧客に対してSANを展開していく意向を示した。

 AX100のHDD容量は480GBから3TBまで対応し、最大8台までのホスト(サーバー)接続をサポート。設定はブラウザベースで行えるほか、運用ツールやスナップショット機能を提供するソフトウェアなどを標準で同梱しており、追加のソフトウェアは一切いらないという。また、従来では6時間程度かかっていた初期導入時間も、この製品では1時間以内にまで短縮されたとのことで、エンタープライズ・システム・マーケティング 本部長の多田 和之氏は、「SAN導入の障害となっていた、価格が高い、難しい、という2つの問題を一気に解決した」と同製品の特徴を強調した。

 なおAX100には、3年間のオンサイト保守(月~土、9~17時)や90日間のソフトウェアサポートが含まれる、同社の「エンタープライズ・サポートパッケージ シルバー」が標準で付属するとのこと。また、SAN構築に際して必要となる機器に関しては、BrocadeのFCスイッチ「Silkworm 3250」やQlogicのHBA(ホストバスアダプタ)「QLA200」を、デル側であわせて提供する。


共同営業体制を確立するデルとEMC

 一方、製品をデルに提供しているEMCジャパン株式会社は、「コマーシャル分野で弱い」という同社の欠点を補う役割をデルに期待している。そのため、従来より協業してきたデルとの関係をさらに強化すべく、両社合同で営業組織を編成し、共同で営業を行っていくことも同時に発表された。EMCジャパンではこの5月から、デルの法人営業部に専任の営業担当者を常駐させ、活動を行う。両社ではこのほか、顧客向けの共同セミナーの開催も行うとのこと。



URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/
  EMCジャパン株式会社
  http://japan.emc.com/
  プレスリリース(AX100)
  http://www1.jp.dell.com/content/topics/reftopic.aspx/corp/pressoffice/2004/040527?c=jp&l=jp&s=corp
  プレスリリース(共同営業体制)
  http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pressoffice/2004/040527b?c=jp&l=jp&s=corp

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( 石井 一志 )
2004/05/27 20:51

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