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デル、「まずはローエンドから」プリンタ事業に参入


 デル株式会社は6月3日、プリンタ事業への参入を発表し、第一弾製品としてA4サイズのローエンド向けモノクロレーザープリンタ「デル レーザプリンタ 1700n」(29,800円)と、カラーインクジェット複合機「デル オールインワンプリンタ 922」(13,800円)の販売を開始した。代表取締役社長の浜田宏氏は「時間はかかるが(PC・IAサーバー・ストレージに次ぐ)第4の柱にしたい」と意気込む。


代表取締役社長 浜田宏氏
 プリンタ事業は同社の「ソフトウェア&周辺機器(S&P)」ビジネスの一環となる。日本ではプロジェクタ・テレビ機能付きディスプレイ・PDAに次いで4番目となるが、米国では2003年5月より販売を開始後「ものすごい勢い」(浜田氏)で販売台数を伸ばし、インクジェットプリンタにおいて一気に17%のシェアを獲得している。日本ではセイコーエプソン・キヤノンの2社が合計で90%以上のシェアを握っているが、同社独自の直販システムを活用し、2003年に国内シェア3位となったPCとのセット販売を中心に「コツコツと地道に展開して、いずれはPCやサーバーと同様のシェアを取る」(浜田氏)構えだ。

 今回発表された2製品は、解像度や印刷速度などのスペックはごく平均的ながら「同クラスの他社製品と比較して30~35%低価格」(浜田氏)に設定されていることが特徴だ。さらにインクやトナーの残量が少なくなった際、アラートと共にこれらを販売するサイトへのリンクが表示され、手軽に注文することができる。「15時までの注文なら翌日に配送することが可能」(浜田氏)で、注文個数に限らず配送料は500円。また、同社のPCにプリンタドライバをプリインストールしての出荷や、サポートデスクの一体化によるPCとの同時サポートを受け付けるなど同社ならではのサービスも用意されている。

 新製品はいずれも低価格のローエンドモデルで、ワールドワイドで販売されているOEM製品(開発元は非公開)。米国では大量印刷やFAX送信機能に対応したオフィス用途向け製品も販売しているが、「デルはローエンドから参入しニーズに合わせて徐々に上に上がっていくのが基本戦略。将来的にはハイエンドを出す可能性もある」とのこと。主要スペックは以下のとおり。

 レーザプリンタ 1700nは、プリント解像度は1200×1200dpi、印字速度は25枚/分、給紙枚数は標準で250枚(オプションで最大800枚まで可)、インターフェイスは、100Base-TX・USB 2.0/1.1、対応OSはWindows XP/2000/98 SE/NT 4.0。

 オールインワンプリンタ 922は、プリント解像度は4800×1200dpi、印字速度はモノクロ19枚/分・カラー14枚/分、インクはモノクロ・カラー・フォト専用、スキャナ解像度は600×2400dpi、インターフェイスはUSB 2.0/1.1、対応OSはWindows XP/2000。

 なお、現在同社のWebサイト上で発売中の他社製プリンタについては、近日中に販売を終了する予定だという。


デル レーザプリンタ 1700n デル オールインワンプリンタ 922


URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pressoffice/2004/040603?c=jp&l=jp&s=corp

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( 朝夷 剛士 )
2004/06/03 15:18

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