イージェネラ株式会社は6月17日、統合型ハイエンドIAサーバー「BladeFrame」に関する記者発表を開催した。イージェネラは、米Egenera社の日本法人として2003年3月に設立された比較的新しいベンダーであるが、すでに国内では伊藤忠テクノサイエンスをはじめとする数社とパートナー契約を締結しており、多くの国内企業がBladeFrameを導入している。しかし、正式に国内市場向けの記者発表会は今回がはじめてとなった。
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ハイエンドモデル「BladeFrame」
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エントリーモデル「BladeFrame ES」
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ハイエンドモデルである「BladeFrame」は、「プロセッシングブレード」、これをコントロールする「コントロールブレード」、各ブレードを接続する「スイッチブレード」で構成される。これらは最大24台のブレードを収容できるシャーシに収納され、ラックは必要としない。
エントリーモデルである「BladeFrame ES」は、「プロセッシングブレード ES」と「コントロールブレード ES」で構成される。コントロールブレード ESは、コントロールブレード機能とスイッチブレード機能の両方が搭載されており、より省スペースとなっている。BladeFrame ESのシャーシには最大6台のブレードが収容可能で、標準的な19インチ型ラックに対応している。
BladeFrameおよびBladeFrame ESのコントロールブレードには、Intel Xeon CPUを搭載した2/4Wayモデルを採用している。メモリはともに最大12GBまで搭載可能。また、OSとしてRed Hat Enterprise LinuxもしくはWindows Server 2003が動作する。
コントロールブレード(コントロールブレード ES)には、システム全体を管理するソフトウェア「PAN(Processing Area Network) Manager」がインストールされており、BladeFrameシステムの構成や管理を行う。PAN ManagerによってBladeFrame全体の資源を仮想化し、CPUやメモリをはじめとするシステムリソースを動的に割り当てることができるようになる。
BladeFrameの最大の特徴は、「Processing」「Network」「Storage」のそれぞれを完全に切り離し、それぞれを独立した「プール」に蓄え、必要なアプリケーションに動的にリソースを割り当てる「Processing Area Network(PAN)」と呼ばれる仮想化アーキテクチャを採用していることだ。
プロセッシングブレード(プロセッシングブレード ES)上にはストレージが搭載されておらず、すべてSAN(Storage Area Network)ストレージシステムを利用する。イージェネラではこの仮想化技術によって、大幅にTCOを削減できるとしている。
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米Egenera CTO バーン・ブローネル氏
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米Egeneraの創立者の一人であり、現CTOであるバーン・ブローネル氏は、米Goldman SachsのCTOを11年間務め、ユーザーの視点からさまざまなベンダーのプロダクトを見てきたという。同氏は「私がGoldman Sachsに在籍していた時、多くのベンダーの製品に対し、柔軟性に乏しく、複雑で、コストが高いという3つの不満を持っていました」とEgenera社設立とBladeFraneにいたる経緯を説明した。
そして「仮想化技術という特徴をもったBladeFraneは、IBMやHPといった競合他社に負けないユニークなプロダクトと自負しています」と、イージェネラの仮想化技術とBladeFraneについての自信を表明。また日本の市場の拡大について、「日本をはじめとするアジアのエンタープライズ市場において、急速にBradeFrameの業績が伸びていることを非常にうれしく思っています」と語った。
■ URL
米Egenera
http://www.egenera.com/
( 北原 静香 )
2004/06/17 20:23
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