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ブレードサーバーを利用した“世界初の”無停止サーバー、SSEから


 住商エレクトロニクス株式会社(以下、SSE)と日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は7月8日、無停止サーバーソリューション分野で協業を深めると発表した。これに伴い、SSEは日本IBMのIAサーバーを利用したFT(フォールトトレラント)サーバーソリューション「Marathon FTvirtual Server Ver.6.0 パッケージモデル」(以下、FTVパッケージモデル)のラインアップを一新し、8月より順次提供を開始する。


1秒以下でシステムの切替が終了するFTサーバーのメリット

SSEのSIソリューション第二事業部 マイクロソフトソリューション部 マネージャー、平岩達哉氏
 SSEのSIソリューション第二事業部 マイクロソフトソリューション部 マネージャーの平岩達哉氏によれば、現在提供されているソリューションの可用性レベルは、1)RAIDなどを用いてディスク部分を冗長化するもの、2)フェイルオーバークラスタを構成するもの、3)FTサーバー、の3つに大別できるという。このうち、1)ではデータ保護は行われるが、システムは完全に停止してしまうし、手動でのシステム再構築が必要となる。また2)の場合、自動でシステムを再構築するものもあるが、復旧時にはどうしても分単位の時間がかかってしまうため、少しのシステム停止ですらも許されない業務では使用できないという。さらに、アプリケーションがクラスタに対応している必要もあるなど、すべてのシステムで利用できるとも限らない。

 そこでクローズアップされてくるのが、3)のFTサーバー製品だ。FTサーバーではCPU、メモリ、HDDなどのシステムコンポーネントを2組備えており、それぞれのシステムが同期して動作している。このため、一方のHDDやメモリがトランザクション処理の最中に故障したとしても、もう一方のシステムはそのまま動き続け、そのまま処理を継続できる。「障害発生時には異常が発生した側を切り離すが、その際に要する時間は1秒以下。ユーザーが障害に気が付くことはないだろう」(平岩氏)。

 こうしたFTサーバー製品は、通常は専用のハードウェアを用いて提供されるものが多く、その分価格が高くつくものが多い。しかしFTVパッケージモデルでは、一般的なIAサーバー2台を使用してFTサーバーソリューションを構築できるソフトウェア「Marathon FTvirtual Server Ver.6.0」を採用しており、比較的安価にFTサーバーを提供できるという。2台のサーバーの間はGigabit Ethernet×2で接続され、リアルタイムで同期される仕組みだ。


世界初のブレードモデル、Pentium 4モデルの投入でFTサーバーの普及を図る

Marathon FTV ブレードモデルで使用される「IBM eServer BladeCenter」
 今回発表されたFTVパッケージモデルのラインアップは、「Marathon FTV 4Uサイズモデル」、「Marathon FTV ブレードモデル」、「Marathon FTV 8Uサイズモデル」の3モデル。すべてWindows Server 2003,Enterprise Edition(25CAL付)がプリインストールされたサーバー一式と、24×7×365のオンサイトハードウェア保守(3年)、8時間×週5日のMarathonソフトウェア保守が付属している。

 このうち、2Uのラックマウントサーバー2台を利用する4Uサイズモデルでは、Windows Server 2003に対応したこと以外、従来より販売されているモデルと大きな変更点はない。価格は、Xeon 3.06GHz、メモリ512MB、RAID5構成のUltra 320 SCSI 36GB HDD×3(論理容量72GB)といった構成で325万円から。

 ブレードモデルは、日本IBMの「BladeCenter」を利用して「世界ではじめてブレードサーバーによって構成される」(平岩氏)FTサーバー。Xeon 3.06GHz、メモリ512MB、RAID1構成のUltra 320 SCSI 146GB HDD×2といったスペックで、価格は320万円(シャーシ別)から。

 8Uサイズモデルは、タワー型のIAサーバー2台を連結した製品。「世界ではじめてPentium 4を搭載した」(同氏)FTサーバーで、HDDもシリアルATAを採用するなど、低価格化を目指している。主なスペックは、Pentium 4 3E GHz、メモリ1GB、RAID5構成のシリアルATA 160GB HDD×4(論理容量480GB)などで、価格は235万円から。ただし9月末までは特別キャンペーン価格(198万円から)で提供される。

 なおFTサーバー製品は、クラスタシステムでは対応できないようなミッションクリティカル分野を主な対象として販売されてきた。しかし最近では、一般で利用されるようなサーバーに関しても、取り回しがクラスタシステムに比べて簡単な点、(システムの一部が壊れても)すぐにメンテナンスする必要がない点など、運用面を評価されて採用されるケースが増えているという。こうした流れをふまえ、SSEでは今回安価な8Uサイズモデルを用意することで、基幹業務システム用途に加え、企業や官公庁のグループウェアサーバー、通常業務で利用されるデータベースサーバー、ファイルサーバーなどへもFTサーバーを普及させていきたい、としている。



URL
  住商エレクトロニクス株式会社
  http://www.sse.co.jp/
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  プレスリリース
  http://www-6.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/2004/07082


( 石井 一志 )
2004/07/08 16:14

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