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XD1の技術的な内容について語る米Cray 最高技術責任者のBrian Koblenz氏
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米Cray Inc.と日本AMD株式会社は7月22日、米Crayが現在開発しているOpteron搭載HPC(High Performance Computing)に関する記者向けの説明会を行った。説明会には、米Cray 最高技術責任者のBrian Koblenz氏などが出席、製品の概要および技術的な特長などの紹介が行われた。
米Crayは、HPCの設計・開発等を行っている会社。同社は現在、Opteronを使ったHPC「Red Storm」および「XD1」を開発しており、両製品とも2004年後半の出荷を予定している。「Red Storm」は、米サンディア国立研究所に10000プロセッサを搭載したシステムの納品を予定しており、年内にそのうちの2500プロセッサ搭載システムが納品されるとのこと。
今回紹介されたのは、米Crayが2004年2月に買収したOctigaBay Systemsが開発した「XD1」。同社製品でのエントリーモデルとなるHPCで、3Uの筐体にOpteron 200シリーズを12個搭載している。12個のOpteronは6個の2ウェイSMPとして稼動し、ピーク理論性能で53G FLOPSのパフォーマンスを実現するとしている。
XD1で採用されているRapidArrayインターコネクトは、プロセッサ間を高速かつ低レイテンシの経路で直接接続するもの。これにより、SMP間で1.6μsecのMPIレイテンシ、8GB/sの最高データ転送速度を実現している。また、アクティブマネジメントシステムを採用、障害が発生しているかどうかのモニターから自己修復までを自動的に実行することで、システムの信頼性を高めている。
米Cray副社長マーケティング・戦略企画担当のLori Kaiser氏は、「XD1を投入することで、より広範なマーケットへの対応が可能になる」と、製品ラインアップの増加によるHPC市場開拓の期待を語った。
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Opteron搭載プラットフォーム
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同席した日本AMD CPGマーケティング本部 本部長代理の小島洋一氏は、「今回の米Crayでの採用だけでなく、HPやSunなど多くのベンダーでOpteronが採用されている。そして、その性能は、インテルのXeonを搭載した同等システム構成と比較して、最大57%高い性能を発揮している」と、Opteron搭載サーバーが確実に市場に受け入れられていることをアピールした。また、「AMD64テクノロジが持つダイレクトコネクトアーキテクチャは、メモリやI/OをダイレクトにCPUに接続できる。米CrayのXD1でも、Opteronがこのアーキテクチャを持っていることから、高速な処理を実現している」と、ダイレクトコネクトアーキテクチャのメリットを強調した。
■ URL
米Cray Inc.
http://www.cray.com/
日本AMD株式会社
http://www.amd.com/jp-ja/
( 福浦 一広 )
2004/07/22 19:40
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