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日立、POWER5を採用した科学技術計算向けスーパーコンピュータの新モデル


 株式会社日立製作所は10月7日、流体解析や衝突解析、気象予測といった科学技術計算向けの高性能コンピュータ「スーパーテクニカルサーバ HITACHI SR11000 モデルJ1」を2005年1月より出荷する。価格は2億7720万円から。

 SR11000 モデルJ1は、「スーパーテクニカルサーバ HITACHI SR11000 モデルH1」のエンハンスモデル。1ノードあたりPOWER5 1.9GHzを16基を搭載し、要素並列型演算処理によりCPU間同期をハードウェアで実行して、CPUを並列動作させている。システムは4~512ノードで構成でき、最大理論ピーク性能は62.2TFLOPSとなる。また1筐体に8ノードを格納することで、単位面積あたりの最大理論演算性能は約640GFLOPS/m2を実現している。

 1ノードあたり288MBの大容量L3キャッシュも搭載するほか、ノード間転送では最大12GB/sを双方向で通信でき、ネットワーク上での転送データの衝突回数を低減する「多段クロスバーネット」技術も採用している。

 メモリは最大で64TBまで搭載可能で、メモリスイッチの階層を減らすことなどの構成でメモリアクセス幅を拡大し、読み出し時間を短縮している。さらに均一なメモリアクセスを可能とするメモリバンク構成により、より実効性能を高めている。

 OSにはAIX 5Lを採用、メモリの先読み機構とCPUリソースを活用できるようPOWER5向けにチューニングされたコンパイラ「最適化FORTRAN90」も用意されている。

 なお8ノード構成により最大理論ピーク性能が972.8GFLOPSとなるシステムが、大学共同利用機関として極地に関する科学の総合研究と極地観測を行う組織である、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所の極域情報基盤センターにて2005年2月より稼働予定。南極や北極で取得されたオーロラ現象などのプラズマ解析において、データの解析、可視化に加え、極域における大気物理、超高層物理のモデル計算やシミュレーションなどに活用される予定。



URL
  株式会社日立製作所
  http://www.hitachi.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2004/10/1007a.html
  スーパーテクニカルサーバ SR11000
  http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/hpc/SR/11ktop.html


( 岩崎 宰守 )
2004/10/07 13:43

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