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i-PX9000
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執行役員常務 近藤忠雄氏
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日本電気株式会社(以下、NEC)は10月7日、Itanium 2を搭載し、専用OSのほかWindows、Linuxなど複数のオープン系OSを搭載して同時稼働できるメインフレーム、ACOSシリーズ「i-PX9000」を発表、同日より販売を開始した。出荷は12月20日より。
i-PX9000は、汎用CPUであるItanium 2をNEC独自のメインフレーム向け「ACOSアーキテクチャ」に対応させることで従来機種との上位互換を実現したメインフレーム。これによりアプリケーションや周辺機器など従来のACOSシリーズの資産を利用でき、かつOSはメインフレーム向け新OS「ACOS-4/VX」に加えて、Windows Server 2003、Red Hat Enterprise Linux、HP-UX 11i v2をサポートする。それぞれのOSはパーティショニングにより最大16区画に分割し独立して動作させることができるほか、業務量に合わせてリソースを再配分することもできる。なお、性能について同社は「前モデル(i-PX7600/7800)とほぼ同等」としている。
またメインフレームとしての信頼性も確保されており、CPUに障害が発生した場合に予備プロセッサに処理を引き継いで性能を維持したまま業務継続が可能な「プロセッサリリーフ機能」の搭載や、その後の保守を電源を落とさずオンラインで可能など「オープン系サーバーにはないACOSの耐障害・保守機能を搭載している」(執行役員常務 近藤忠雄氏)。予備プロセッサは障害発生時の代替えのほか、リソースプールとして負荷集中時に追加させることも可能。
JEITA(社団法人電子情報技術産業協会)の調査によると、メインフレームユーザーのうち約7割が継続利用、あるいはオープン環境との併用を望んでおり、フルオープン化を検討しているのは3割程度だという。この結果を近藤氏は「フルオープン化は再構築へのコストやリスクが高く、急速には進まないだろう」と分析し、「部分的にオープン化し、メインフレームとオープンの併用事例が増加しており、連携性や運用性の向上への期待が高まっている」と、i-PX9000が持つ機能へのニーズが高まっていることを説明する。
これに対しACOS-4/VXでは、既存のACOS-4とオープン系OS上のアプリケーションやデータベースの共存システムの構築や段階的マイグレーション、ストレージやバックアップの統合、FBAディスク上に仮想CKDディスクを構築することによるデータ移行など、オープン系OSとの連携・移行に向けた機能が搭載されている。
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ACOSシリーズとオープン系サーバーのRAS機能比較
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ACOSとオープン環境の共存システム
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段階的マイグレーションの例
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月額レンタル料金は、上位にあたる「A model(全14モデル)」が約1300万円から、下位の「S model(全13モデル)」が約300万円から(いずれもハードウェア、OS、保守費用を含む)。同社では「全国で約1200社」という同社メインフレームユーザーを対象に今後3年間で500台の販売を見込んでいる。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0410/0701.html
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( 朝夷 剛士 )
2004/10/07 17:34
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