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Sun Fire V890(左)と、Sun Fire V490(右)
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UltraSPARC IVとUltraSPARC IIIの性能比較
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サン・マイクロシステムズ株式会社は10月7日、CPUにUltraSPARC IVを搭載したエントリー~ミドルレンジ向けサーバー「Sun Fire V490」と「Sun FireV890」を発表、同日より販売を開始した。出荷開始は10月中旬から。
両製品が搭載するUltraSPARC IVは、同社が2月に発表したCPUで、CMT(チップマルチスレッディング)技術を実装することで1CPUにつき2つのスレッドを並行して実行できる。これにより従来製品(UltraSPARC III)と比較して約2倍のスループット(単位時間あたりの処理量)を実現しつつ、アプリケーションを再コンパイルなしで移行できるという。
Sun Fire V490は、UltraSPARC IV 1.05GHzを2基(最大4基)、メモリが8GB(最大32GB)、HDDが73.4GB×2の構成で価格は446万3000円(税別)。Sun Fire V890は、UltraSPARC IV 1.2GHzを2基(最大8基)、メモリが8GB(最大32GB)、HDDが73.4GB×6の構成で価格は575万9000円(税別)。同社ではスレッド単位の比較で、従来製品(Sun Fire V480/V880)と比較して2割程度安い設定としている。
さらに両製品ともSolaris 9をプリインストール、Sun Java Enterprise System 90日限定評価版をプリロードする。対応OSはSolaris 8,9で、今期中に発売予定というSolaris 10にも対応を予定している。同社では「ワークグループレベル」と位置づけ、想定される用途として「アプリケーションサーバーやデータベースなど」を挙げている。
■ 次世代SPARC系CPUは「新幹線」
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代表取締役社長 ダン・ミラー氏
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代表取締役社長のダン・ミラー氏が「サンのSPARCプロセッサへのコミットは、何年先もずっとYesである」と強調するように、同社はUltraSPARC IV以降もコードネーム「Niagara(2006年出荷予定)」「Rock(2008年出荷予定)」というSPARC系CPUを開発中だ。これらはCMT技術を搭載するほか、複数のコアを搭載することでより多くのスレッドを同時に実行できるという。そして「Rockの基本デザインはすでにできあがっている」(ミラー氏)。
この中でNiagaraは、6月に発表された米Sun Microsystemsと富士通の3年間にわたる提携により共同で開発中という次世代SPARC系サーバー製品群にも採用される予定だ。同社によると「比較的軽い処理を数多くこなすWebサーバーなど(Web Facing)はNiagara、1件の処理による負荷が大きいデータベースやアプリケーションサーバーなど(Data Facing)は富士通が開発するSPARC 64」というすみ分けを予定しており、RockはNiagaraを上回る処理速度と並行処理を実現するという。
ミラー氏は「ラボでのテストでRockは極めて高い性能を発揮しており、Web Facing・Data Facingどちらでも使える」と強調、さらに「わかりやすく例えると、UltraSPARC IVは何人もの乗客を乗せられるバス、(CMTを実装しない)AMDのCPUはお買い得なスポーツカー、そしてRockはより多くの乗客を乗せしかも速い新幹線といえる」と説明した。
■ URL
サン・マイクロシステムズ株式会社
http://jp.sun.com/
プレスリリース
http://jp.sun.com/company/Press/release/2004/1007.html
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( 朝夷 剛士 )
2004/10/07 20:07
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