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日商エレ、Java VM処理に特化した専用アプライアンスを2月に国内販売


 日商エレクトロニクス株式会社(以下、日商エレ)は10月13日、米Azul Systemsに対する投資と、販売代理店契約を行うこと発表した。日商エレでは、米Azul開発のネットワークアタッチドプロセッシングソリューションを2005年2月より国内販売し、コンサルティング、導入、サポートをあわせ、2005年度に7億円、3年後には年間30億円の売上を目標とする。


ネットワークアタッチドプロセッシングソリューション

日商エレクトロニクス株式会社 事業開発部 新事業開発グループ グループリーダー 岡田康次郎氏(右)と日商エレクトロニクス株式会社 ソフトウェアソリューション事業推進部 スペシャリスト 塩入賢治氏
 ベンチャー企業である米Azul CEOのステファン W.デウィット氏は、もともと米Cobalt Networksの創業者。日商エレは米Cobaltアプライアンスの販売台数では世界でトップでもあり、こうした関係が今回の投資、そして代理店契約の締結につながっている。

 ネットワークアタッチドプロセッシングソリューションは、アプリケーションサーバーの処理を外部で実行できる専用のアプライアンス。サーバーにアタッチする形でネットワーク接続し、独自のプロキシ技術によりJava VMや.NETの処理内容を引き継いで、その結果をアプリケーションサーバー側に返す仕組みとなる。

 製品には、ネイティブにJava VM処理を行えるよう最適化された独自開発の専用CPUが採用される。これを24個集積した“VEGAチップ”を4つ搭載するボードがアプライアンスに内蔵され、11Uサイズの筐体には、1ボードあたり96CPUを搭載したボードを4枚まで搭載する予定となっている。「汎用CPUでいえば、Xeon 200個分以上の処理を2400Wの筐体ひとつでカバーできる」(日商エレクトロニクス株式会社 ソフトウェアソリューション事業推進部 スペシャリスト 塩入賢治氏)。このため電源の削減にもつながるという。

 ネットワークインターフェイスはGigabitが推奨されるが、処理データ量などの環境によっては100BASE-TXでも動作可能という。管理はWebコンソールから行え、CPUリソースの監視や割り当て設定などが行える。また複数台を用いた冗長構成にも対応している。

 対応するアプリケーションサーバーはIBM WebSphere、BEA WebLogic。また今後はOracle Application Serverにも対応する予定があるという。アプリケーションサーバー側にはプロキシをインストールする必要があるが、これは「無償で配布する予定」(塩入氏)とのこと。製品価格は未定だが、対象サーバー数によらないハードウェアベースのライセンスとなる。

 一方でネットワークアタッチドプロセッシングソリューションに対するアプリケーションサーバーソフトウェアのライセンスについては、「現在、各社と協議を重ねているが、マルチコアをにらんだライセンス形態になるだろう」(塩入氏)のこと。なお2月に出荷される製品では、Javaの処理のみが可能となるが、今後.NET処理にも対応する予定とのことだ。

 ある意味で特定処理に特化した製品といえるが、「同時アクセス並列処理に強いため、アプリケーションサーバー5台以上のクラスタ構成で稼動している環境で、負荷やパフォーマンス面で問題を抱えている場合にはメリットがある」とのことで「企業内に点在するアプリケーションサーバー全体への余剰投資を最適化できる」という。日商エレでは、金融、Eコマースなどを市場ターゲットとしており、大手企業数社での動作トライアルを12月から1月にかけて行う予定。



URL
  日商エレクトロニクス株式会社
  http://www.nissho-ele.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nissho-ele.co.jp/press/goods/2004/0410_azul.htm
  米Azul Systems
  http://www.azulsystems.com/


( 岩崎 宰守 )
2004/10/13 20:26

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