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Silicon Graphics Prism
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日本SGI株式会社は、Itanium 2プロセッサと64ビットLinux OSを採用した、マルチパイプビジュアライゼーション(可視化)システム「Silicon Graphics Prism(以下、Prism)」を発表した。出荷開始は11月中旬の予定。
Prismは、マルチ画面対応のグラフィックスシステム。同社では、MIPSプロセッサとUNIXベースの独自OS「IRIX OS」を採用したOnyxを販売しているが、今回発表のPrismでは、CPUにインテルのItanium 2を、OSに64ビットLinuxを採用しているのが大きな特長。同社ブロードバンド・ユビキタスソリューション推進本部ブロードバンド・ユビキタスソリューション開発推進 オペレーション統括の矢部充氏は、「Prismは、Onyxとは考え方もスタンスも異なる製品」と、同社にとっても戦略的な製品であることを強調する。
Prismは、HPCサーバーやスーパーコンピュータの基盤となる共有メモリシステムアーキテクチャ「NUMAflex」を採用することで、単一システム上で複数のCPUによる大規模共有メモリを実現。これにより、テクニカルコンピューティング環境やシミュレーション環境で必要とされる大規模で複雑なデータの高速処理が可能となっている。また、GPUにはATIテクノロジーズのR350を採用、コストパフォーマンスの高いマルチパイプ環境を実現している。
「ユーザーにとって単一システムを管理するだけで済むのが、シングルシステムの最大のメリット」と、矢部氏はクラスタリングでは得られない使い勝手のよさを特長に挙げる。アプリケーションでの設定によって、マルチディスプレイとして使うことも、それぞれ独立させて使うことも可能。搭載されているGPU分だけディスプレイとキーボードを接続して、複数人で同時に作業することもできる。
システムの規模に応じて3モデルが用意されており、価格は4CPU、2GPUの最小構成で850万円から。「実際に提供する際の価格は、これよりも下がるので、同構成の競合製品よりも安くなる」と、PCクラスタなどと比べて、コストパフォーマンスが高いとのこと。
同社では、研究所・サイエンス・CAE(Computer Aided Engineering)などの分野を対象に販売を行う。また、今後はシミュレーターやデジタルメディアなどの分野に対しても提供する予定。同社では今後2年間で300セットの販売を見込んでいる。
■ URL
日本SGI株式会社
http://www.sgi.co.jp/
プレスリリース
http://www.sgi.co.jp/newsroom/press_releases/2004/oct/prism.html
( 福浦 一広 )
2004/10/15 18:48
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