キヤノン株式会社とキヤノン販売株式会社は1月24日、大判カラーインクジェットプリンタの新製品として、最大B0ノビサイズ(44インチ幅)対応の「imagePROGRAF W8400(以下、W8400)」と、最大A1ノビサイズ(24インチ幅)対応の「imagePROGRAF W6400(以下、W6400)」、A3ノビサイズ対応の「imagePROGRAF W2200S(以下、W2200S)」の3製品を、3月中旬より順次発売する。
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新製品に搭載される機能など
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新製品のうちW8400とW6400は、ヘッドが従来比1/2となる4pl(ピコリットル)の極小インク滴出力を可能とし、高発色の新イエローインクと合わせて、粒状感の低減や色再現性が向上した。印刷速度は従来機種とほぼ同じA0サイズで最速2.2分、A1サイズで約1.3分。定評のある高速印刷を維持しながら画質が改善されている。
インクは耐光性、耐水性のある顔料インクを採用。またブラックインクに、光沢印刷メディア向けのフォトインクと、CADや新聞のプルーフなどで利用されるマット調印刷メディア向けのマットインクの交換式を採用しており、より多くの印刷メディアへのプリントが可能となっている。
また、同梱ソフトとして、自動カラー設定や印刷設定の簡素化など操作性が向上したプリンタドライバのほか、付属のテンプレート素材を使って簡単にフチなしポスター作成が行える「Poster Artist」、画像編集ソフト「Digital Photo Print Pro」、AutoCAD/同LT対応HDIドライバ、Photoshop出力プラグインが付属する(プリンタドライバとPhotoshop出力プラグイン以外はWindowsのみ対応)。
価格はW8400が59万8000円、W6400が29万8000円、W2200Sが24万8000円。このうちW8400は従来機種(W8200)より半額以下にまで値下げされている。この理由についてキヤノン 取締役 Lプリンタ事業推進本部 本部長の本間利夫氏は「設計力や生産部隊との連携が強化されたほか、設備投資の償却が進んだため」と説明している。
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imagePROGRAF W8400
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imagePROGRAF W6400
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imagePROGRAF W2200S
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■ 大判プリンタでもトップシェアを狙う
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キヤノン販売 常務取締役 プロフェッショナル機器カンパニープレジデント 山田文隆氏
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大判プリンタの市場動向
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キヤノン販売 常務取締役 プロフェッショナル機器カンパニープレジデント 山田文隆氏によると、2004年の国内における大判(A1サイズ以上)プリンタ市場規模は151億円、出荷台数は約42000台で、「堅調な拡大を続けている」という。しかしキヤノンの(CAD分野を除く)市場シェアは約10%で、エプソン(50%)や日本HP(30%)らの後塵(こうじん)を拝している。
これに対しキヤノンでは、今回の新製品において操作性の向上や簡単ポスター作成ソフトを同梱するなど大判印刷への敷居を下げることで、既存市場に加えて企業などが印刷業務をアウトソーシングせず自社内で行う「インハウスプリンティング」をターゲットとした新規市場の開拓を狙う。キヤノン販売では、ビジネスソリューションカンパニーを中心に直販やパートナー経由での販売を強化、主に「新聞・出版・放送・医療業界」(山田氏)をはじめ、一般企業に向けても拡販を目指すという。
BCN総研の調査によると、2004年の家庭向けインクジェットプリンタにおいて、キヤノンはエプソンを抜いて8年ぶりにトップシェアを獲得した。これに続き大判プリンタにおいても「2005年にシェア20%以上、2007年にはトップシェア獲得」(山田氏)を目標としている。
■ URL
キヤノン株式会社
http://canon.jp/
プレスリリース
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2005-01/pr-w8400.html
( 朝夷 剛士 )
2005/01/24 18:11
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