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ワコム、21.3型UXGAと15型XGAの液晶ペンタブレット2機種


 株式会社ワコムは、液晶ペンタブレットの新機種として、21.3型UXGAを搭載した最上位機種「Cintiq 21UX」を2月26日より、15型XGA液晶を搭載した普及機「DTI-520」を2月10日より発売する。


Cintiq 21UX

30~80度まで、利用状況にあわせて自由に設置可能
 Cintiq 21UXは、大型の21.3型UXGA液晶にペンでの入力が可能な液晶ペンタブレット。従来製品の18.1型を上回り、同社ラインアップでは最大の製品となる。液晶パネルには、1677万色表示に対応するアモルファスシリコン(a-Si)TFTを採用し、コントラスト比は400:1、最大輝度は250cd/m2、インターフェイスはDVI-I。価格はオープン。

 ペンタブレット部分には同社独自のIntuos3センサー方式を採用。旧製品の2倍となる1024レベル筆圧を感知でき、分解能も従来の0.01mmから0.005mmへと向上させたことで、線の太さの変化や濃淡の表現など、より細密な作業が可能になった。PCとはUSBインターフェイスで接続する。なお画面両脇には、それぞれスクロールやズームに割り当てられるスライダーと4つのプログラマブルキー「ExpressPad」を備える。

 なお画面は強化アクリルを貼り付けたフラットサーフェスを採用しており、手を大きく動かして作業できる。本体を支えるチルトスタンドは、30~80度で自由に傾けられるほか、画面を180度回転できる。画面の視野角は、水平/垂直ともに170度となっているため、「傾けても色が変わらない」(ワコム 営業統括 マーケティング部 ジェネラルマネージャー 守屋潔氏)点もメリットだ。


個人ユーザー向けのDTI-520 U Model。カラーはブラック

法人向けのDTI-520 S Model。カラーはアイボリー
 一方のDTI-520は、画面外側のフレームを20mmとし、新設計のタブレットセンサー基盤を採用したことで、従来製品と比べ約25%の省スペース化を図っている。個人向けの「U Model」と、シリアル接続にも対応する法人向けの「S Model」がラインアップされており、S Modelの価格はオープンとなるが、U Modelについては「従来製品より数万円コストを抑えた」希望小売価格12万6000円となる。

 液晶ディスプレイは1619万色表示可能なa-Si TFT採用の15型XGAで、輝度250cd/m2、コントラスト比500:1、応答速度16ms。視野角は水平140度、垂直125度。ディスプレイ接続はアナログD-Sub15ピンに加えコンポジットもサポートする。また入力だけでなく、プレゼンテーションも可能なアナログRGB出力端子も備える。本体左右にはサイドスイッチとUSB×2を接続できるハブも内蔵している。

 こちらの製品では、強化ガラスを採用してフラットサーフェスを実現している。スタンドでチルト可能な角度は18~74度。電磁誘導式ペン入力では、512レベルの筆圧と0.05mmの分解能となっている。なおCintiq 21UXと同様に、個々のペンごとに42億通りをサポートする固有のデバイスIDを保持しており、例えば入力されたペンのIDから、いつ誰が記入したのかといった履歴を管理でき、医療向けの電子カルテなどではセキュリティ強化にもつながるという。

 また既存の電子カルテはデータベース化を前提にしているため、カルテ記録がデータ入力作業にすり替わりかねず、医療現場での利用では、診療を行いながら使うことも難しかった。この点からも液晶タブレットの利点があるという。

 さらに液晶ペンタブレットのメリットについて守屋氏は「液晶パネルの表に追加する形のタッチパネルと違い、ペンタブレットはパネル裏側にセンサーを貼り付けるため、色や明るさを損なわず表示品質を保てる」点を上げた。また耐久性も高く、誤動作もしにくいという。


プレゼンテーションを行う場合、PowerPoint 2003の機能により、強調点の追記などが可能 3人が同時入力する際などには、入力を色分けできる 特定用途向け市場でも利用が拡大している

 富士ゼロックスなどでは役員会議室にも採用されており、「ビジネス向けのプレゼンテーション分野での利用も拡大の兆しを見せている」という。このほか教育現場での利用や、オーダー用などの特定用途向け市場、「手書き文字認識ではなく、手書きのままファイリングが可能になる」利点から、警察・消防・海上保安庁での110、119、118の受付窓口センターでも、液晶ペンタブレットが利用されているとのことだ。なおマイクロソフトのTablet PCにはワコムの技術が100%採用されている。

 両製品とも対応OSはWindows 2000/XP、Mac OS X 10.2.6以降。ワコムでは今後1年間に、DTI-520は20000台、Cintiq 21UXは5000台の販売を見込んでいる。



URL
  株式会社ワコム
  http://www.wacom.co.jp/
  プレスリリース(Cintiq 21UX)
  http://tablet.wacom.co.jp/what/detail/detail_press.html?nno=327
  プレスリリース(DTI-520)
  http://tablet.wacom.co.jp/what/detail/detail_press.html?nno=328
  Cintiq 21UX
  http://tablet.wacom.co.jp/products/cintiq/dtz2100/
  DTI-520 S Model
  http://tablet.wacom.co.jp/products/pl/pl_index.html
  DTI-520 U Model
  http://tablet.wacom.co.jp/products/cintiq/dti520/


( 岩崎 宰守 )
2005/02/08 17:56

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