インテル株式会社は、L2キャッシュを2MBに倍増させ、EM64Tに対応するXeon、Pentium 4 6xxを2月中に、FSBを667MHzへと拡張したXeon MPと対応チップセットを90日以内に出荷する。
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インテル エンタープライズ&ネットワークソリューションズ本部 プラットフォーム&ソリューションマーケティング統括部長 平野浩介氏
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インテル IAクライアント プロダクトマーケティング デスクトッププロダクトマーケティング 荒木義満氏
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シリコンチップの開発からプラットフォーム全体のカバーへ
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Xeonは3.0~3.6MHzが提供予定で、動作クロックそのものはこれまでの製品と変わらない。しかしL2キャッシュを2MBへ倍増させたことで、「サーバーアプリケーションでは、特にL2キャッシュの効果が大きく、比較的クロックが低い製品でも従来の最高性能を上回る」(インテル株式会社 エンタープライズ&ネットワークソリューションズ本部 プラットフォーム&ソリューションマーケティング統括部長 平野浩介氏)という。
このほか、SpeedStep技術のサーバー版ともいえ、負荷に応じて動作クロックを3段階で切り替える「デマンドベーススイッチング(DBS)」にも対応するため、より消費電力を低減できる。これにより例えばブレードサーバーなどで、より大きな効果が表れると考えられる。
Pentium 4 6xxでは、L2キャッシュを2MBへ倍増しただけではなく、拡張版SpeedStepとEM64Tも新たに採用される。なおPentium 4 5xxに引き続き、NXにも対応する。インテル株式会社 IAクライアント プロダクトマーケティング デスクトッププロダクトマーケティング 荒木義満氏は「トップトゥボトムで採用されると考えている」とした。
また90日以内に提供予定のXeon MPでは、FSBが667MHzへ拡張される。開発コード名がPotomacとされるL3キャッシュが8MBの製品と、L2 1MBとなるCranfordの2製品が提供予定だ。
【お詫びと訂正】記事初出時、Cranfordのキャッシュ表記に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。
これに対応するIntel 8500チップセット(開発コード名:Twin Castle)は、近い将来に登場が見込まれるデュアルコアCPUに向けた設計がなされている。またメモリミラーリングやRAIDといったRAS機能と、PCI Express、DDR2 400メモリもサポートする。
平野氏は「ミッドレンジからフロントエンドまで、64ビットへの移行は急速に進む」とし、市場でのEM64T対応CPUへの移行スピードの速さを強調した。
また今後のインテルの戦略について、CPUやチップセットといったシリコン技術中心だったこれまでのアプローチから「チップが使われるシステムに、ユーザーの望む機能をいかに取り込んでいくか」を視野に入れ、「チップだけを考えた技術開発ではできない、プラットフォームレベルでの研究開発へ」リソースを費やすことを明らかにした。
具体的には、チップセットやI/Oから、OSや開発用コンパイラなどのツールまでについて、製品と技術開発、検証までを一体化し、EM64TやPCI Express、SSE3といった性能面だけではなく、電力管理技術のインプリメント、RAS機能のサポートなどで、ニーズとして挙げられるプラットフォームの拡張性、TCO削減、リスク低減の3つをカバーする。またプラットフォームの持続性を確保し、例えば動作検証なくできるCPUをアップグレードできる「ステーブルイメージプラットフォーム」の実現なども含まれるという。
■ URL
インテル株式会社
http://www.intel.co.jp/
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( 岩崎 宰守 )
2005/02/09 16:05
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