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日本HP、Opteron搭載製品を大幅拡充、一般ビジネスユースでの利用促進を目指す


 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は2月17日、AMDのOpteronプロセッサを搭載したサーバー、ワークステーションのラインアップを大幅に拡充すると発表した。サーバーに関しては、2Wayラックマウントサーバーの「HP ProLiant DL385」、2Wayブレードサーバー「HP ProLiant BL25p/35p」の各製品を発売するとともに、既存の4Wayラックマウントサーバー「HP ProLiant DL585」の新モデルを提供する。またワークステーションでは、日本HPとしてははじめて、Opteron搭載モデル「HP xw9300 Workstation」を投入する。


HP ProLiant BL25p

エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 上原宏本部長
 日本HPではかねてから、「業界標準技術を用いて、顧客の環境を32ビット環境から64ビットへ移行できるような選択肢を用意する」と表明しているが、今回のOpteron搭載製品拡充も、その基本線に沿ったもの。すでに同社ではOpteron搭載のサーバーを市場へ投入しているが、今回はこのうち、Opteronを最大4基搭載可能なDL585に、発表されたばかりのOpteron 852(2.6GHz)搭載モデルを追加する。価格は210万円から。

 また、2Uラックマウント型の「DL300シリーズ」において、Opteron 250(2.4GHz)/252(2.6GHz)を最大2基搭載可能なDL385を発売する。DL300シリーズは、同社のx86サーバー出荷台数において実に半分以上を占めるという主力製品だが、エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 上原宏本部長は「DL385はこれまでのDL380とほぼ同等の構成。既存ユーザーも、有効に活用、もしくは移行ができる」と述べ、新製品の有用性をアピールした。価格は43万500円からで、出荷開始は3月下旬の予定。

 ブレードサーバーでは、Opteron 250を採用した高密度型のBL35p、Opteron 250/252を選択可能な高性能型BL25p、の両製品を用意した。エンクロージャは従来と同じ6Uの「BladeSystemエンクロージャ」を利用でき、1つのエンクロージャにBL35pは最大16枚、BL25pでは最大8枚まで収納可能。ともに、1ブレードあたり最大2基のCPUを搭載でき、同一エンクロージャ内での、Xeon搭載ブレードとの混在にも対応する。ブレード1枚の価格は、BL25pが46万2000円から、BL35pが34万6500円から。3月上旬より順次出荷を開始する。

 さらに今回は、BladeSystemエンクロージャ内に格納可能なネットワークスイッチブレード「HP BladeSystem p-Class Cisco Gigabit Ethernet スイッチモジュール」も発表された。同製品は、Ciscoと共同で開発された24ポートのGigabit Ethernetスイッチで、従来のCisco製品と同様に利用できるという。上原本部長は、「スイッチを筐体内に収納できるため、(ラックあたりの)積載効率が向上する」とアピールしたほか、「このスイッチも日本HPが責任を持ってサポートするので、ワンストップサポートが可能になり、ユーザーの利便性が向上する」と述べた。価格は56万7000円から。

 なお上原本部長は、Opteron搭載製品が、メール、メッセージングやERP、データベースなどのベンチマークで高い結果を出していることを示し、「これまでの検証結果により、汎用性のある、一般ビジネスユースでもOpteronの有効性が確認されてきた」と主張。一般の業務サーバーとしても、Opteron搭載サーバーを広くアピールしていく姿勢を示した。もちろん、従来主流とされてきたHPC分野でも、「より高い価格性能比を目指す」としている。


標準技術を用いながらも「わくわくする」ワークステーション

HP xw9300 Workstation
 一方ワークステーション分野では、Opteron 250/252を最大2基搭載可能なミニタワー型、xw9300が発売される。こちらも、これまでの日本HP製品と同様、「標準技術」を用いて製品化されたとのことで、筐体には、静穏性などが高く評価されているという既存製品「xw8200」と同じものを使用し、最大で16GBのメモリ、1.5TBのSATA II HDDを内蔵できる。またPCI Express(x16)スロットを2つ装備する点も大きな強調材料だが、さらに日本HPでは、複数のグラフィックカードを連携動作させて性能を向上させる「NVIDIA SLi(Scalable Link Interface)技術」に、5月にも対応させる予定で、より他社との差別化が図れるとした。

「一般に、標準技術というと価格は安くてもわくわく感がなくなるというイメージ。しかし今回の製品は画期的なもので、標準ベースとしては最高の製品。当社自身もこれを世の中に出せるのでわくわくしているが、ユーザーの方や販売する方に、一番わくわくしてもらえるような“とがった”製品になったのではないか。数千万円する競合ワークステーション製品の1/10の価格で、同等の性能を提供できる」(パーソナルシステムグループ ワークステーション本部の井上公夫本部長)。

 価格は、最小構成で44万9400円から。出荷は3月上旬の開始を予定している。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2005/fy05-048.html

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( 石井 一志 )
2005/02/17 15:28

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