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「シェア20%が目標」日本AMDがOpteronサーバー拡大に自信


 日本AMD株式会社は2月17日、マイクロソフト株式会社らとともにプレス向けイベントを開催し、AMD64とWindows x64ファミリープラットフォームの優位性や、今後の予定などを示した。


2005年はx86サーバー市場全体でシェア20%を目標

 2005年は、マイクロソフトよりWindows x64ファミリーのリリースが予定されており、x86プラットフォームにおいて、64ビットコンピューティング環境が、本格的に広まる年になると予想されている。イベントでは、マイクロソフトからWindows x64ファミリーを5月中旬以降段階的に投入する方針が明らかにされた。

 すでにLinuxやSolarisで64ビットのサポートが始まっているが、調査会社ガートナーによると、1~4CPU環境におけるx86サーバーのOSシェア(2004年第3四半期 出荷台数ベース)は、Windowsが82%を占めており、Windows x64ファミリーの登場によるインパクトは大きい。同じくガートナーは、2005年以降、x86 64ビットサーバーが、x86 32ビットサーバーに代わって出荷台数を大きく伸ばすと予測している。

 そんな中、AMDはローエンドからミドルレンジのx86サーバー市場において、Opteronのシェアを徐々に伸ばしている。ガートナーによると、2004年第3四半期における米国の4Way x86サーバー市場で、Opteronが20%のシェアを獲得している。また、日本AMD CPGマーケティング本部本部長のサム・ローガン氏によると、世界トップ100の企業のうち40%がOpteron搭載サーバーを採用したという。ローガン氏は、2005年中に前年比4~5倍を出荷し、32ビットを含むx86サーバー市場全体で現在の4.7%から20%へのシェア拡大を目標とした。


日本AMD 代表取締役社長 堺和夫氏(左)、CPDフィールド・マーケティング部 部長の秋山一雄氏(中)、CPGマーケティング本部本部長のサム・ローガン氏(右) Windows Server 2003 x64 Editionの利点

省電力技術搭載とデュアルコアへのスムーズな移行を実現

 Opteronがシェアを伸ばしたのは、価格性能比の高さと、発表当初から32/64ビットの両サポートしていたスケーラビリティなどが要因といわれている。さらに今後、同社が特に優位性をうたうのが、省電力技術の搭載と、デュアルコアへのスムーズな移行のサポートだ。

 2月14日に発表された新モデルより、消費電力最適化機能「PowerNow!テクノロジ」を搭載した。PowerNow!は、同社のPC向けCPUでも採用された技術で、低負荷やアイドル時に必要とする電圧を下げることができる。CPDフィールド・マーケティング部 部長の秋山一雄氏によると、アイドル時でPowerNow!非適用時と比較して最大75%低減することができるという。

 また2004年より低消費電力版の「Opteron HE」と「同 EE」をラインアップしており、通常のOpteronと比較してHEは約半分、EEは約1/3の電圧で動作する。秋山氏は「例えば500台の2Wayサーバーを1年間動作させた場合、HEで42%、EEで68%の電力コストを削減できる」と低消費電力CPUの優位性を強調した。

 Opteronを採用するハードウェアベンダーも、サーバーの消費電力に注目している。同日にOpteronを搭載するブレードサーバーとワークステーションを発表した、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)のインダストリースタンダードサーバ製品本部 本部長 上原宏氏は「サーバーにおいて、熱と電力に対しての取り組みは、今後非常に大きな課題となる」と強調した。日本HPでは、2004年にNTTファシリティーズと協業し、ITだけでなくサーバー施設の電源や空調までをワンストップで提案するソリューションを提供している。

 デュアルコアのOpteronは、既存のOpteron搭載サーバーのCPUを置き換え、対応BIOSに更新するだけで、そのまま利用できるというのが特徴だ。現在も開発が進められており、夏ごろにリリースが予定されているが、32/64ビット両対応と同様にスケーラビリティを拡販の武器とする方針だ。


Opteronのアーキテクチャ PowerNow!適用時と非適用時の消費電力の差 Opteronなどサーバー向けCPUの消費電力の差

Opteronを搭載する日本HPの「HP ProLiant DL585」 日本IBMのeServer 326

ウイルスバスターなどが64ビット対応へ

 各社アプリケーションの64ビット対応もOpteronの展開において重要となる。イベントでは、オービックビジネスコンサルタント(OBC)、トレンドマイクロ、ディ・ストームが出展し、対応状況や予定を公開した。

 OBCの奉行新ERPシリーズ9製品と奉行LANPACK13製品が、OpteronとWindows Server 2003 x64(RC1)環境で正常動作を確認したという。トレンドマイクロは、企業向けセキュリティソフトの64ビット対応版「ウイルスバスター コーポレートエディション Ver 7.0」を6月ごろに発売予定としているほか、年末にはLinux対応の「Server Protect 2.0」、コンシューマ向け「ウイルスバスター2006(仮称)」を64ビット対応でリリースする予定。また、ディ・ストームが国内で販売する3Dグラフィックソフト「LightWave 3D」の64ビット版が現在開発中だという。



URL
  日本AMD株式会社
  http://www.amd.com/jp-ja/

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( 朝夷 剛士 )
2005/02/17 20:56

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