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キヤノン、モノクロ並の小型・高速化したA3カラーレーザープリンタ
LBP5900
キヤノン販売 代表取締役社長 村瀬治男氏
キヤノン株式会社は4月11日、オフィス向けカラーレーザープリンタ「Satera」シリーズの新製品として、A3対応の新製品「LBP5900」と「LBP5600」の2モデルを発表した。いずれも5月中旬より発売する。
LBP5900とLBP5600は、A3サイズまで対応するオフィスでの業務用途向けカラーレーザープリンタ。同社や他社における従来製品と比較して小型・高速化したほか、上位機種のLBP5900は、Javaで開発した専用ソフトをインストールした拡張ボード「NB-J1」を装着することで、業務に合わせた機能の拡張が可能となる「MEAP-Lite(Multifunctional Embedded Application Platform-Lite)」に対応する。
本体サイズは同社従来製品と比較して約1/2に抑え、モノクロレーザープリンタ並の545(W)×607(D)×380(H)mm(LBP5900。LBP5600は奥行き588mm)。印刷方式にCMYK4色のドラムに画像を同時に作成する4D(タンデム)を採用し、速度はLBP5900は30枚/分(LBP5600は22枚/分)、ファーストプリント9秒以下、ウォームアップ0秒の高速印刷に対応。また、ランニングコストはA4各色5%印字比率での印刷時でカラーが11.9円、モノクロが2.9円(LBP5900。LBP5600はカラー12.2円、モノクロ3.0円)と、いずれもモノクロプリンタに迫るスペックを実現している。
キヤノン販売株式会社代表取締役社長の村瀬治男氏によると、レーザープリンタのカラー化は1998年ごろから徐々に進んでいるものの、2004年はレーザープリンタ全体の販売台数におけるカラーの割合は23%、稼働台数ベースでは16%にとどまっている。村瀬氏はこの原因について「(あらゆる面で)手ごろなカラープリンタがなかったことに尽きる」と指摘。モノクロに迫る「高速化と小型化を両立した」今回の新製品で一気に置き換えを進める考えを示した。
もう1つの目玉であるMEAP-Liteは、同社らが提供する印刷ジョブ管理やセキュリティ向上などJavaで開発された機能を追加することができるプラットフォーム。拡張プログラムをインストールしたオプションのNB-J1をプリンタ本体に装着することで業務環境に合わせた機能拡張ができる。同社ではMEAP-Liteを利用したソリューションを2005年中にキヤノン販売よりソリューションやパッケージソフトとして順次展開するほか、2006年にはこれをオープン化し、ISVやSIerでも開発・提供が行えるようにする予定としている。なお、NB-J1はLBP5900以外にも同社の従来機種にも対応しており、機能拡張が可能だという。村瀬氏は「キヤノン販売の事業形態は近年著しく変ぼうをとげており、付加価値の創造に軸足を移してきている」と述べ、比較的低価格帯のプリンタにおいてもハードウェアスペック以外の価値を提供していく方針を示した。
MEAP-Liteによるソリューション例「ユビキタスPrint for MEAP-Lite」
「imageWARE Output Managerfor MEAP-Lite」
オプションのHDDを搭載しプリント命令の暗号化などを行う「Vモデルキット」
イメージキャラクターに引き続き矢田亜希子さんを起用
価格はLBP5900が39万8000円(税別)、LBP5600が24万8000円(税別)。同社ではこれらにより、2006年中にカラーレーザープリンタにおけるシェア30%を獲得、個人向けインクジェットプリンタに続いて「シェアNo.1をとる」(村瀬氏)ことを至上命令とし、グループ全体で拡販するとしている。
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URL
キヤノン株式会社
http://canon.jp/
プレスリリース
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2005-04/pr-lbp5900.html
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