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米HP インダストリスタンダードサーバ マーケティング担当グループマネージャー ボブ・ムーア氏
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同社製品に搭載される2.5インチSAS HDD
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SATA/SAS/FCの比較
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日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は、サーバーやストレージシステムで利用するHDDに、SAS(Serial Attached SCSI)インターフェイスを採用する製品を7月にも発表する意向を、6月7日に行われた記者向け説明会で明らかにした。同社は2006年以降、SASを標準インターフェイスとして、対応HDDを搭載するサーバーやストレージシステムを順次展開していく方針だ。
SASは、2003年に標準化されたインターフェイスで、転送速度は3Gb/sと従来のパラレル転送方式のSCSIより高速、対応HDDが各ベンダーより発表されている。ATAにおいては、すでにSerial ATA(SATA)がPCや低価格ストレージの標準となっており、SCSIにおいても置き換えが目されているが、基幹系など信頼性が求められる分野での利用が中心となるため、慎重な意見も多いのが現状だ。
米HP インダストリスタンダードサーバ マーケティング担当グループマネージャーのボブ・ムーア氏は、近年のストレージに対する容量やパフォーマンスへの要望の高まりから、「もはやパラレルではユーザーのニーズに応えていくことはできない」と述べ、今後エンタープライズストレージにおいてもシリアル系への移行が進むとの見解を示した。
HPが推進するのは、用途に応じてSASとSATAを組み合わせて利用するというものだ。ムーア氏は、SASはアクセスが頻繁で、高い信頼性が求められる基幹システムなどのトランザクション向け、SATAはアクセスそれほど多くないWebサーバーやアーカイブなどの参照向けであると説明。そしてHPは両方を包括する戦略を進め、1つでSASとSATA HDDを混在できるSASバックプレーンのエンクロージャを提供すると述べた。
また同社は、サーバーにおいて2.5インチHDDの採用をSASとともに進めていく方針だ。2.5インチHDDは、従来の3.5インチHDDと比較して省電力で、高密度により多くのHDDが搭載できる。同社はこれに向け、3月に2.5インチ/10000rpmのSAS HDDを発表、4月には富士通、日立グローバルストレージテクノロジーズ、米Seagateと2.5インチSAS HDDの普及に向けた提携をしている。
同社は7月に2.5インチSAS HDDを搭載するSFF(Small Form Factor)筐体のサーバーと3.5インチ/15000rpm SAS HDDを搭載する「HP ProLiant Storage Server」を発表し、2006年にはそのほかのラインアップでも2.5インチSAS HDDの搭載が標準となる予定だ。
■ URL
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/japan/
■ 関連記事
・ 米HP、サーバーとストレージ製品の2.5インチHDD移行を推進(2005/04/28)
・ 富士通、新インターフェイス採用のサーバー向けHDDを出荷開始(2005/03/08)
( 朝夷 剛士 )
2005/06/07 16:14
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