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ワールドセールス&マーケティング担当副社長、ビル・ヘイク氏
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VXA-320 PacketLoader 1X10 1U Plus(奥側)。黒い円状のものがテープオートローダのロボット機構だ
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米Exabyteは10月11日、VXAテープバックアップ装置「Exabyte VXA-320シリーズ」を発表した。米国ではすでに先週発表されており、国内でも11日より販売を開始する。主な対象はローエンドからミッドレンジのテープ装置市場という。
VXA-320シリーズは、テープカートリッジ1巻に最大160GB(非圧縮時)の容量を格納可能なテープバックアップ製品で、VXA規格としては、VXA-1/VXA-2に次ぐ3世代目にあたる。X6/10/23と3種類用意されているテープはこれまでのVXA-2と完全な互換性を持つが、同じテープに対して倍の容量、最大40GB/80GB/160GBのデータを書き込むことができるようになった。
VXA規格の最大の特徴は、「業界初のパケット記録方式を採用していること」(ワールドセールス&マーケティング担当副社長、ビル・ヘイク氏)。パケット記録方式では従来のトラック記録方式と異なり、トラックにそって連続的にテープへ接触する必要がないことから、高い信頼性を得られたほか、4段階のリードソロモンエラー訂正機能などによって、DDS/DAT方式の180倍に達する高いデータ復元性が実現できたという。
これらは同社内でのテストだけでなく、第三者機関による氷結試験、ホットコーヒーへの浸透試験、実環境でのケーススタディなどでも実証できたとしたヘイク氏は「浸水被害や、コーラのような飲料をかけてしまった実例でも、100%データが復元できた。こうした災害耐久性は大きな意味を持つといえる」と述べた。
加えて3世代目となったVXA-320では、ローエンド向けの製品としては大容量の320GB(圧縮時)を1巻に納めることができる点も大きいという。ヘイク氏は「サーバーのHDDは100GB超のものが主流になりつつあるが、(ローエンド向けテープ装置で主流である)DDSやDAT72では最大容量が72GB(圧縮時)に過ぎず、ここにギャップが存在する。VXA-320ならこの容量ギャップを埋めることが可能だ」と述べ、既存のテープ規格に対するアドバンテージを主張した。
今回のラインアップにはSCSI接続の内蔵タイプ、外付けタイプと、最大10巻のテープカートリッジを格納可能なテープオートローダ「VXA-320 PacketLoader 1X10 1U Plus」が用意された。テープドライブの市場は残念ながら縮小傾向にあるとのことだが、テープオートローダの市場はローエンド向けも含めて毎年堅調に伸長しているとのことで、ExabyteでもVXA-320 PacketLoaderにもっとも期待しているという。
参考価格は、内蔵型が19万8000円、外付け型が28万円、VXA-320 PacketLoaderが58万円。なおExabyteによれば、前述のような長所が評価されてか、Appleや富士通シーメンス、富士通、IBMなどにOEMで採用されているとのことで、ヘイク氏は国内でも販売チャネル拡大だけでなくOEM提供のさらなる拡大を目指していく方針を示した。現在、国内での販売実績は1億円に満たない額だというが、同社ではVXA規格の長所をアピールすることによって、年間3億円の売り上げを目指すとしている。
■ URL
米Exabyte(日本語)
http://www.exabyte-asiapacific.com/japan/
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( 石井 一志 )
2005/10/11 17:34
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