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SandgateVP-CEモデル
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ソフィアシステムズ株式会社は11月7日、1台で無線LANとPHS機能を利用できる携帯端末のコンセプトモデル「SandgateVPシリーズ(以下、SGVP)」を発表した。そのまま一般向けには市販されず、携帯端末のハードウェア・ソフトウェア、サービスベンダー向けに開発・評価の支援を目的として提供する。
SGVPは、ストレート型携帯電話を一回り大きくした筐体に、インテルPXA270(520MHz)プロセッサ、OSにWindows CE 5.0を搭載する携帯端末。IEEE 802.11b/g対応無線LAN機能を内蔵するほか、CF(コンパクトフラッシュ)やSDカードスロット、USBポート(給電用)を搭載し、CFカード型PHS端末を装着することでPHS通話・通信が可能。カメラ機能も備える(開発中のため、仕様が変更される場合がある)。Officeアプリケーションで作られたファイルの閲覧も可能だ。
SGVPを利用し、屋内では無線LANを使った通信やVoIP通話、屋外ではPHSという2つの通信・通話機能を1台で利用することができる。こうした機能は携帯電話ではNTTドコモの「N900iL」にて実用化されており、PHSではウィルコムより12月発売予定の「W-ZERO3」にて利用可能となる予定だが、同社ではWindows CEやMobile上で動作する「Skype」が提供されれば、これを利用した音声通話も可能になる見通しを示している。同日に都内ホテルで開催された「スカイプデイ・イン・ジャパン」に出展し、同社のビジネスモデルを紹介していた。
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SGVPに搭載される機能
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SandgateVPの利用例
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代表取締役社長 樫平扶氏
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SGVPは年内にベータ版、2006年第2四半期に正式版の提供を予定している。またOSにWindows Mobile 5.0を搭載するモデルも準備中だ。代表取締役社長の樫平扶氏は「評価機として1台からでも販売する。価格は10万円を切る」と述べた。なお、将来的にウィルコムの「W-SIMカード」やWiMAXへの対応も検討しているという。
同社はもともと組込み向けマイコンのデバッカやエミュレータといった開発ツールを企業に提供するベンダーで、携帯端末分野ではフュージョン・コミュニケーションズのIPフォンなどに対応した開発プラットフォームを開発してきたが、「顧客より“より実機に近いものを出してほしい”という要望を受けSGVPを開発した」(樫平氏)という。
SGVPの用途として同社は、SIP/VoIP端末のアプリケーション開発・評価などを挙げているが、SGVPをベースとし端末ベンダーの要望を取り入れた端末の受諾/共同開発も受けるとしている。樫平氏は「標準プラットフォームを採用しており、お客様(ベンダーら)には仕様をオープンにしていく。我々はインフラを提供し開発を促進したい」と述べた。
また、SGVPを利用したソリューションとして、子会社であるソフィア総合研究所株式会社(以下、SRI)が、一般企業における無線LAN経由のVoIPとPHS通話を併用する内線システムやECサイト、コールセンターなどのシステム構築を請け負う。SRI研究所所長の村田篤紀氏は、「親会社・子会社のシナジー効果を発揮したい」と述べ、SGVPを使ったビジネスソリューションの展開に自信を見せた。
■ URL
ソフィアシステムズ株式会社
http://www.sophia-systems.co.jp/
プレスリリース
http://www.sophia-systems.co.jp/ice/press/Skype2005-11-07.html
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( 朝夷 剛士 )
2005/11/07 17:17
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