|
米Iomega 社長兼CEO ワーナー・ヘイド氏
|
米Iomega社長兼CEOのワーナー・ヘイド氏は、HDDをベースとしたリムーバブルメディア「REV」を、サーバーやワークステーションのテープに代わるバックアップメディアとして推進していく考えを、11月14日に開いた記者説明会で示した。
REVは、1枚あたり35GB(圧縮時最大90GB)の記録が可能なHDDベースのリムーバブルメディアで、同社ではテープと比較して8倍高速であるとしている。2004年4月の発売後、「(ワールドワイドで)これまでドライブ15万台、メディア90万枚を出荷した」(ヘイド氏)。現在、ドライブが5万円~6万円前後、メディアが9,000円前後で販売されている。
ドライブは外付け(USB 2.0/Firewire)、内蔵型(SATA/ATAPI/SCSI)各タイプを用意しているほか、バックアップ用オートローダー、REVを内蔵したNASなどが販売されている。日本IBMや東芝情報機器など一部サーバーのバックアップ向けオプションとしても提供している。
ヘイド氏によると、容量が現在の倍となる70GBに拡張し、上位互換性を保ったREVを開発中で、2006年第2四半期にも提供開始する予定だという。
|
|
REVのメディアと外付けドライブ。大きさはZIPとあまり変わらない
|
REVを内蔵した[NAS 200d]
|
リムーバブルメディアは、かつてZIPやMOなどさまざまな規格のメディアが利用されていたが、ブロードバンドや安価で汎用性の高いCD-R/DVD-R、さらにドライブを必要としないUSBメモリなどの普及により利用が減少している。ヘイド氏は「確かにコンシューマ向け市場は縮小していくだろう。しかし業務向けではデータをオフラインで保存したり、プロ向けビデオ映像の記録用途としてニーズはなくならない」と話す。
IDCなどのデータによると、REVがターゲットとするバックアップ向けテープや映像記録メディアなどの市場を合計すると、2005年はワールドワイドでドライブ265万台、メディア6000万枚の規模になるという。
同社ではREVとともにNASのラインアップを強化、さらにこの2つの使い勝手を向上させるバックアップ、アーカイブ向けソフトウェア/ミドルウェアを開発していく方針だ。同社バイスプレジデントのウルリケ・テグマイヤー氏は、日本市場もREV・NASの2本立てで展開すると同時に、かつて同社の主軸製品であったZIPについても「利用は減っているが、需要がある限りサポートを継続する」と述べた。
また、国内での販売目標について、REVは2005年度にドライブ1600台・メディア3200枚、2006年度にドライブ5000台・メディア2万5000枚、NASは2005年度に500台、2006年度に700台と設定した。
REVは現状、国内において利用が広まっているとは言い難いが、個人情報保護法対応や災害対策(ディザスタリカバリ)需要の増加といった追い風があるだけに、こうしたソリューションを提供するベンダーやドライブのOEMパートナーとの提携が、拡大への鍵となりそうだ。
■ URL
アイオメガ株式会社
http://www.iomega.com/jp/
関連記事:米Iomega、リムーバブルHDDストレージ「REV」を出荷開始(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0413/iomega.htm
■ 関連記事
・ アイオメガ、リムーバブルHDD「REV」を搭載したNAS製品(2005/07/07)
( 朝夷 剛士 )
2005/11/14 17:24
|