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米Apple Computer CEO スティーブ・ジョブズ氏
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アップルコンピュータ株式会社は1月11日、CPUに「Intel Core Duo」を搭載したプロシューマ向けノート「MacBook Pro」と、コンシューマ向け一体型デスクトップ「iMac」を発売した。MacBook Proは24万9800円からで2月出荷開始、iMacは15万9800円からで同日より出荷開始する。
MacBook Proは、15.4インチワイドディスプレイを搭載したモデルが発表された。外観は基本的にPowerBook G4を踏襲しているが、整数演算・浮動小数演算ベンチマークテストの結果から「4~5倍速くなった」(米Apple Computer CEO スティーブ・ジョブズ氏)という。
本体機能もいくつか強化されており、ディスプレイは従来より67%明るくなり同社の「Cinema Display」と同等の明るさになったという。また、ディスプレイ上部にビデオチャット用「iSightカメラ」を装備し、電源ケーブルと本体の接続部にマグネットを使用した「MagSafe」を採用した。MagSafeにより、ケーブルに足をひっかけるなど急激な力が加わった場合にケーブルが本体から外れ、落下を防ぐことができる。
CPUのクロックなどの違う2モデルが発表された。各スペックと価格は、1.67GHzのIntel Core Duo、メモリ512MB(DDR SDRAM 最大2GB)、HDD 80GB(SATA)、DVD±RW/CD-RW対応SuperDrive、ATI Mobility Radeon X1600(128MB GDDR3)など搭載モデルが24万9800円。1.83GHzのIntel Core Duo、メモリ1GB(DDR SDRAM 最大2GB)、HDD 100GB(SATA)、DVD±RW/CD-RW対応SuperDrive、ATI Mobility Radeon X1600(256MB GDDR3)など搭載する上位モデルが30万9800円。
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MacBook Pro
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MacBook ProとPowerBook G4とのベンチマーク比較
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消費電力(ワット数)あたりのパフォーマンス比較。PowerPC G5はパフォーマンスは高いものの消費電力が高くノートに搭載できなかったという
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電源ケーブルのひっかけなどによる落下を防ぐ「MagSafe」
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iMacも、従来モデルをほぼ踏襲した筐体で、ディスプレイが17インチと20インチの2モデルが発表された。こちらはベンチマークテストから、従来モデルより「2~3倍速くなった」とされている。17インチモデルには1.83GHzのIntel Core Duo、メモリ512MB(DDR SDRAM 最大2GB)、HDD 160GB(SATA)、DVD±RW/CD-RW対応二層記録式8倍速SuperDrive、ATI Mobility Radeon X1600(128MB GDDR3)などを搭載し、価格は15万9800円。20インチモデルには2.0GHzのIntel Core Duo、メモリ512MB(DDR SDRAM 最大2GB)、HDD 250GB(SATA)、DVD±RW/CD-RW対応二層記録式8倍速SuperDrive、ATI Mobility Radeon X1600(128MB GDDR3)などを搭載し、価格は20万9900円。
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Intel Core Duoを搭載しつつ従来の筐体を踏襲した「iMac」
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新iMacと従来モデルとのベンチマーク比較
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米Intel CEO ポール・オッテリーニ氏(右)も新モデルのMacを歓迎した
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なお、MacBook Pro、iMacともIntel Core Duo対応の「Mac OS X 10.4.4“Tiger”」、および新たに発表された「iLife '06」「iWork '06(30日間試用トライアル版)」がプリインストールされる。
MacにIntel CPUを採用することが発表されたのは2005年6月で、1年後となる2006年6月までに製品を出荷するとされていた。ジョブズ氏は「IntelとApple両エンジニアの努力により予定より早く実現した」と述べ、発表会に駆けつけた米Intel CEOのポール・オッテリーニ氏も同調した。またジョブズ氏は、2006年中にすべてのMac製品においてIntelプラットフォームを採用すると宣言した。
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iWork '06
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ハードウェアと同時にソフトウェアにおいてもIntelプラットフォームへの対応状況が示された。コンシューマ向け統合ソフトの新版「iLife '06」、ビジネスソフトの新版「iWork '06」は、Intel、PowerPC両方にネイティブ対応し、同日より出荷開始する。iLife '06は、既存の構成ソフトのアップデートのほか、Webサイト構築ソフト「iWeb」が新たに加わり、iWork '06はプレゼンテーションソフト「Keynote」がアップデートされた。価格はiWork '06、iWork '06とも8,800円。このほか同社のプロシューマ向けアプリケーションが3月までにネイティブ対応するという。
他社製アプリケーションについては、Mac OS X 10.4.4に含まれる移行ソフト「Rosetta」を使うことで、大半の既存ソフトがIntelプラットフォームでも稼働するという。ジョブズ氏は新iMac上でMicrosoft WordやAdobe Photoshopを起動して見せ「たまに使うなら十分なスピードだ」と語った。
アプリケーションベンダーもネイティブ対応を進めている。米Microsoft Macintoshビジネスユニット ゼネラルマネージャーのローズ・ホー氏は、Microsoft Officeのネイティブ対応を進めているほか、「Microsoft Messenger for Mac 5.0」を3月にIntelプラットフォームに対応させると語った。
さらにホー氏は、最低でも今後5年間、Mac用Officeの最新版を開発する契約をAppleと結んだことを明らかにした。
■ URL
アップルコンピュータ株式会社
http://www.apple.com/jp/
プレスリリース(MacBook Pro)
http://www.apple.com/jp/news/2006/jan/10macbookpro.html
プレスリリース(iMac)
http://www.apple.com/jp/news/2006/jan/10imac.html
プレスリリース(iWork '06)
http://www.apple.com/jp/news/2006/jan/10iwork.html
プレスリリース(iLife '06)
http://www.apple.com/jp/news/2006/jan/10ilife.html
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( 朝夷 剛士 )
2006/01/11 16:01
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