株式会社ソーテックは1月25日、法人事業に本格参入し、新ブランドPC「e-three」シリーズを発売すると発表した。
e-threeシリーズには、既存の法人向けPC(デスクトップ、A4ノート各1モデル)のほか、新たにスリムタワー型デスクトップPC「HC300(6万3000円~)」、B5型ノートPC「HS300(15万6450円~)」をラインアップ。また、B5ノートタイプのシンクライアントPC「TS201」も合わせて発表した。各製品とも日本国内にて組み立てられ、スペックのBTOや一部デザインのカスタマイズに応じる。また、シンクライアントPCの開発において株式会社ネクスタームと提携する。
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e-three HC300
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e-three HS300
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ドライブやポートを使用不可にするハードウェアカスタマイズ
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企業ロゴなどのカスタマイズも「できるだけ小ロットから対応する」
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■ 「会社としての信用や信頼を勝ち取るための決意表明」
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ソーテック代表取締役社長 山田健介氏
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「デルを目標とした」というBTO生産体制とSCMの構築計画
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代表取締役社長の山田健介氏によると、同社はこれまで主に低価格を売りとしたコンシューマ向けPCを販売していたが、コモディティ化が進む中で収益の確保が難しくなったという。「一時的な成功を収めた後、不振に陥り、4期連続で赤字、売上はピークの1/4にまで落ちた」。
そこで、これまで未開拓であった法人市場に参入。まず中小企業や学校・官公庁など「デルやHPといった大手となるべくぶつからないところ」(営業本部本部長 村井誠氏)をターゲットに展開するという。販路も新たにSIerや流通などのパートナー、および直販体制を構築する。山田氏は「あくまで法人事業の目標」と前置きした上で、売上高を2006年度中に24億8000万円(全売上高の12%)、2008年度には50億円(全売上高の21%)という数字を掲げた。
同社では、2005年に10月に法人営業部を設立し、11月より法人向けモデルをラインアップ。合わせて法人専用電話受付などサポート体制を構築していたが、e-threeシリーズの発表にともない、組立を行うソーテック・イー・サービス横浜工場のBTOラインを構築した。「これまでできなかった受注から3~6日での納品を実現する」(山田氏)。同社製品の特徴も、中国などで組み立てられたPCの比率が高まる中で“Made in Japan”を前面に出した信頼性であるとした。
山田氏は、同社がこれまで自社工場を持たず海外に委託する「ファブレス」体制でPC事業を営んできたことを挙げ、その結果「他人任せで誠意のない、無責任な企業文化が根付いてしまった」と、低迷の理由を率直に語った。その上で法人事業への参入は、これまでの文化と決別し「会社としての信用や信頼を勝ち取るための決意表明」であると意気込みを見せた。
ただし、従来の量販店販売を縮小するつもりはなく、今後コンシューマ向けPCにもBTOを導入する計画があるという。また、法人事業の立ち上げと同時に周辺機器事業にも着手し、2007年度より本格展開する考えを示した。
■ Windows XP Embeddedベースのシンクライアント、OSのカスタマイズに対応
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シンクライアントPC「e-three TS201」
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シンクライアントPC「TS 201」は、e-threeのB5型PC「HS300」の筐体をベースに、HDDを取り除き、OSにWindows XP Embeddedを採用する。提携するネクスタームは、このOSイメージの提供を行う。専用ソフトの導入やWeb専用端末としての利用、また利用する周辺機器のドライバの追加など、ユーザーの用途に合わせたOSイメージを作成するという。
販路においては、これまでネクスタームなどのシンクライアントシステム構築で実績のあるユニアデックスが決定しており、今後拡充していく予定。
■ URL
株式会社ソーテック
http://www.sotec.co.jp/
株式会社ネクスターム
http://www.nexterm.co.jp/
プレスリリース
http://www.sotec.co.jp/news/2006/0125-ethree.html
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・ ソーテック、法人市場に参入-ノート/デスクトップPCを発売(2005/11/15)
( 朝夷 剛士 )
2006/01/25 15:47
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