|
米Riberbed Technology CEO ジェリー・ケネリー氏(左)と、リバーベッドテクノロジー代表取締役社長 井上祥二氏(右)
|
|
Steelheadの実機
|
米Riberbed Technologyは1月27日、日本法人「リバーベッドテクノロジー株式会社」を設立したと発表した。WANを通じたアプリケーションやデータ転送を高速化するアプライアンス「Steelhead」を国内市場に投入する。
日本法人代表取締役社長にはサン・マイクロシステムズ部長職、ベリタスソフトウェア部長職、ミラポイントジャパン代表取締役を歴任した井上祥二氏が就任する。井上氏はSteelheadの拡販によりWDS(Wide area Data Service)市場を開拓すると語った。
Steelheadは、本社-支社間などWANを介したデータ転送速度を高速化するアプライアンス。Steelheadを通じてデータが転送された際に、それらを一時記録し、再び同じデータが転送される場合に、それらをネットワーク上に流さず記録されたデータを利用することで、トラフィックを削減する。キャッシュと異なりバイナリで記録するため、ファイル名などにかかわらず、すべてのTCPトラフィックにおいて有効で、遅延を最小化するという。
米Riberbed Technologyプロダクトマーケティング副社長のアラン・サルディッチ氏は、「WAN上で転送されるデータの60~90%は、同じものが繰り返しやりとりされている」と指摘し、Steelheadを利用することで「Windowsアプリケーションで20~100倍、Exchangeで10~20倍、最大200倍の速度改善がされる」と語った。
同社では2つ以上のオフィスを持ちWANで接続している企業、特に海外に工場を設置したり、ワールドワイドで展開する企業への導入を目指すとしている。サルディッチ氏によると、近年グローバル化によってオフィスや工場を分散して設置する一方で、コストやセキュリティ面の事情からITリソースを集中・統合化する傾向にある。よって、本社にデータやアプリケーションを集中配備し、支社などがWANを通じてそれらを利用するシステムが増えているという。しかし、ネットワーク帯域がボトルネックとなり、ローカルで配備するのに対して遅延が大きくなるという問題がある。
Steelheadを利用することで、まるでローカルにあるアプリケーションのように高速化が可能とのことだ。米Riberbed Technology CEOのジェリー・ケネリー氏は「わかりやすく説明すると、3000マイルが30フィートに、日本では3000キロメートルが30メートルになるような感覚」と例えた。
|
|
Steelheadの接続イメージ
|
Steelheadにより、アプリケーションの高速化、ITリソースの統合、帯域幅の最適化が図れるという
|
製品は、ローエンドからハイエンドモデルまで5製品(ライセンス体系別では7モデル)を用意。本社に同時コネクション数や広帯域対応のハイエンド、支社にミドル~ローエンドを配置するシステムとなる。価格は「ローエンドが百数十万円から、ハイエンドは700~800万円くらい」(井上氏)。販売はすべて代理店経由で、一次代理店としてネットマークスと日本ダイレックスが取り扱うほか、二次代理店を約20社ほど募集する。また、HPにワールドワイドでOEM提供している。
同社では初年度2300台、2008年には5000台以上の販売を見込んでいる。
■ URL
米Riberbed Technology
http://www.riverbed.com/
プレスリリース(英語)
http://www.riverbed.com/news/press_releases/press_012606.php
( 朝夷 剛士 )
2006/01/27 18:32
|