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日本IBM、UNIXサーバーの新モデルを投入-IA対抗のPowerPCサーバーなど

4コアモジュール搭載製品もラインアップ拡充

今回発表されたSystem p5の新製品

QCMモジュール

システムp5事業部 製品企画、細野輝人氏
 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は2月15日、UNIX/Linuxサーバー「IBM System p5」のラインアップを拡張すると発表した。新モデルでは、搭載するPOWERプロセッサの性能を強化するほか、デュアルコアプロセッサ×2をコンパクトパッケージにまとめたQCM(Quad Core Module)搭載製品の拡大、IAサーバーとの競合を意識した低価格モデルの投入などが行われている。

 IBM System p5は、かつて「IBM eServer pSeries」と呼ばれていたサーバー製品群。2005年10月以降の新製品からブランドを変更して提供されていたが、今回はミッドレンジ以下の製品において、さまざまな新製品を発売する。

 まずHPC用途に特化した「p5 575」では、2.2GHz(4Way/8コア)、1.9GHz(8Way/16コア)のPOWER5+搭載モデルをラインアップに加えたほか、水冷式の排熱オプションを用意し、大規模クラスタ時における排熱性能の向上を実現した。また、筐体を積み重ねて特殊な接続を行い、複数台のサーバーを1台として稼働させる「ビルディングブロック」方式によって、最大8Way/16コアまで拡張可能な「p5 570」でも、2.2/1.9GHzのPOWER 5+に対応している。価格はp5 575が4402万8800円(税別)から、p5 570が1132万9000円(同)から。

 一方ローエンドでは、従来「p5 550Q」でのみ採用されていたQCMを、ビルディングブロック型の「p5 560Q」、ラック/タワー型の「p5 520Q」、ラック型の「p5 510Q」にも拡大した。QCMは1つのセラミックモジュールに4コア(2チップ)のPOWER5+と36MBの3次キャッシュを集積したもの。今回の搭載モデル拡大によって、「より低価格でスループットに優れるQCMのメリットを、より多くのお客様に使っていただける」(システムp5事業部 製品企画、細野輝人氏)という。価格は、p5 560Qが603万5600円(税別)から、p5 520Qが100万5900円(同)から、p5 510Qが168万2600円(同)から。

 さらに今回はエントリー製品として、PowerPC 970FX 2.5GHzを搭載する「p5 185」を発売する。ほかのPOWERプロセッサ搭載製品と同様、AIX 5LとLinuxに対応。一部既存サーバーのリプレースを狙うとともに、「Linux on POWERを廉価に実現できるモデルとして、IAサーバーと競合可能な価格にした」(細野氏)という。

 なお既存のp5 505/510などのローエンドモデルとの違いについて細野氏は、「クロック周波数は高いがベンチマークではPOWER搭載製品のほうが上。仮想化機能を持たない点も異なる」とし、価格を落とした分性能は劣ると説明した。また、最大メモリ量が少ない点、冗長化電源をサポートしない点も異なり、細野氏は「IAサーバーよりもセキュリティや信頼性を高めたい場合に向く」としている。価格は41万9500円(税別)から。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  プレスリリース
  http://www-06.ibm.com/jp/press/20060215001.html

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  ・ 日本IBM、POWER5+に対応したUNIXサーバー新モデル―4コアモジュール搭載製品も(2005/10/12)


( 石井 一志 )
2006/02/15 16:36

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