米Brocade Communications Systemsは3月6日(米国時間)、64ポートFC(ファイバチャネル)スイッチをはじめとするSAN関連製品を発表した。今回発表されたのは、4Gbps FC対応64ポートスイッチ「SilkWorm 4900」、SANルーティング/FCIP機能を提供可能なスイッチ製品「SilkWorm 7500 Switch」「同 FR4-18i Blade」、iSCSIゲートウェイ「Brocade iSCSI Gateway」の計4製品。国内では、ブロケードコミュニケーションズシステムズ株式会社(以下、ブロケード)が販売を担当する。
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SilkWorm 4900
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SilkWorm 7500 Switch
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Brocade iSCSI Gateway
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ブロケードのシステムエンジニアリング統括部長、小宮崇博氏
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ブロケードの代表取締役社長、津村英樹氏
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これらのうち、SilkWorm 4900はミドルレンジ環境のエッジ向けに提供されるスイッチ。64基備えた4Gbps FCポートのうち、当初は32基分が有効になっており、ユーザーはライセンスキーを購入することで、ネットワークの拡張にあわせて、16基ずつポートを有効にしていくことができる。
機能としては同社の従来モデル同様、トランキングやロードバランス機能をサポートするほか、ホットスワップ可能な電源、ファームウェアのオンラインアップグレードなどに対応。最大500km(1Gbps時)の長距離接続もサポートするとのこと。
またSilkWorm 7500 Switchは、4Gbps FC×16とGigabit Ethernet×2を備えたスイッチで、SilkWorm FR4-18i Bladeは、この機能をダイレクタ「SilkWorm 48000」向けのブレードに集約したもの。同社の従来製品「マルチプロトコルルータ」と同様、SANルーティングやFCIPプロトコルによるIPベースのSANの延伸を行えるだけでなく、独自機能としてFCフレームの圧縮、暗号をハードウェアベースでサポートする。
さらにFCプロトコルを簡略化して性能を向上することも可能で、ブロケードのシステムエンジニアリング統括部長、小宮崇博氏は「業界をリードするパフォーマンスを備えている」とアピールした。なお現時点ではマルチプロトコルルータが持つ、マクデータ製品へのルーティング機能は対応していない。
最後のBrocade iSCSI Gatewayは、FC SANストレージとEthernetの橋渡しをする、iSCSIゲートウェイ。2Gbps FC×2とGigabit Ethernet×2を備え、2台の同製品を用意することで、アクティブ-アクティブの冗長化にも対応する。同社ではすでにiSCSIゲートウェイ機能をマルチプロトコルルータで提供しているが、Brocade iSCSI Gatewayはそれよりも安価な上、イニシエータを約2倍の200までサポートできるなど、高いコスト効果を提供できるという。「中小規模環境向けに販売し、SANの敷居を下げていきたい」(小宮氏)。
なおブロケードの代表取締役社長、津村英樹氏によれば、これらの製品は、ブロケードがビジョンとして掲げている次世代データセンターを構築するための重要な構成要素になるという。同社では、「サーバーやストレージなどのITリソースをデータセンターへ統合し、どう最適化していくか」が課題としているが、今回提供されるインフラ製品や、アプリケーション製品群「Tapestry」などの提供を通じて、これを支援していくという方針を繰り返し説明していた。
■ URL
米Brocade Communications Systems
http://www.brocade.com/
ブロケードコミュニケーションズシステムズ株式会社
http://www.brocadejapan.com/index.php
ニュースリリース(日本語抄訳)
http://www.brocadejapan.com/news/index_press_text.php?key=20060307092250
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( 石井 一志 )
2006/03/07 00:00
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