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SPEEDIA N3500
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営業本部国内営業統轄部長の樫尾彰取締役
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カシオ計算機株式会社は4月13日、カラーページプリンタ「SPEEDIAシリーズ」のラインアップに、タンデム方式のA3対応プリンタ「SPEEDIA N3500」「同 N3000」を追加すると発表した。価格はそれぞれ26万400円、20万7900円で、6月2日より順次販売を開始する。
N3500/N3000は、クラス最小・最軽量(設置面積0.318平方メートル、重量45kg)を実現したLEDページプリンタ。4連タンデム方式を採用し、カラー24枚/分(N3000は16枚/分)、モノクロ30枚/分の高速印刷を実現したほか、両面印刷ユニットを標準で搭載している。
営業本部国内営業統轄部長の樫尾彰取締役は、新製品のコンセプトについて「N3000シリーズはカシオの10年間のカラーページプリンタ事業の集大成となるモデル。これまで蓄積してきたノウハウをすべてコンパクトに集約するとともに、セキュリティ、エコロジー、エコノミーにも万全に対応した」と説明し、「クラス最小・最軽量を実現した新シリーズによって、従来のメインターゲットであった特殊業種・専門業種に加え、これまで弱かった一般オフィス市場の開拓にも本格的に取り組んでいく」と意欲を見せた。
コンパクト化の実現にあたっては、ドラムの小径化やLEDヘッドの小型化によるコンパクトタンデム方式、小粒径化を図った超微細の独自トナー、オイルレス/ベルト方式による小型定着機構、コンパクト・高機能な新コントローラ搭載など、多くの新開発技術が採用されたという。
とくに新開発の独自トナーは、従来に比べて約33%減の粒径約6ミクロンを達成。きめこまかく高精細な印刷が行えるとともに、トナースペースの30%減や定着時の熱量低減による消費電力削減も実現した。
また、開発本部システム統轄部・井上正広第四開発部長は、「一般オフィス市場を開拓するためには本体サイズのコンパクト化を図るとともに、設置場所を選ばない省スペース設計も重要。新シリーズでは、用紙補給や消耗品交換が前面で行えるフロントオペレーションや、特殊紙のカセット給紙・上面排紙によるウイングレス設計、天面開口のないフラットトップ設計を採用することで、オフィスのコーナーやデスク下の狭い空間にも設置することができる」とした。
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従来機との比較。30%以上の小型化を実現したという
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コンパクト化のポイント
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新開発トナーの特徴
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国内カラーページプリンタの用途別出荷台数推移
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一般市場シェア獲得に向けた代理店戦略
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このほかの特徴は、セキュリティ機能と管理機能の強化。コピーするとユーザー名や印刷時刻が浮かび上がる「コピーガード印刷機能」、ユーザー名、ホスト名、印刷時刻などを通常の印刷範囲外に印字する「ID印刷機能」を搭載するだけでなく、管理者が両機能の利用をユーザーに強制することが可能になっている。
またN3500では、オプションのHDDやUSBホストアダプタ、ICカードリーダー、PC用のセキュリティソフトなどと併用することで、「認証プリンタ機能」を利用できる。これを用いると、印刷を実行しても印刷物はすぐに出力されず、PCに接続されたカードリーダーと、N3500のカードリーダーの双方でICカードが認証されてはじめて、印刷が実行されるようになるため、セキュリティを確保できる。ICカードはFeliCaやMifareといった非接触のICカードが使用でき、いわゆる「おサイフケータイ」にも対応可能だ。
加えて、経済性にも配慮しており、カラー11.1円/枚、モノクロ2.8円/枚の低ランニングコスト、スリープ時や待機時の省電力化を実現。1%刻みでトナー使用割合を設定可能なトナーセーブ機能、複数の文書ファイルを集約して両面印刷を行える「プレビュー&レイアウト機能」も備え、ドライバ連動機能によって、クライアントPCの印刷デフォルト設定を、トナーセーブ機能使用モードに変更することもできる。
給紙可能枚数は、標準で400枚、最大で1500枚。インターフェイスはUSB 2.0×1、100BASE-TX/10BASE-T×1を備える。サイズは590×539×388mm(W×D×H)。
一般オフィス市場向けの拡販戦略としては、販売代理店網を再構築し、従来のシステム代理店に加え、今後は事務器・文具を取り扱っているコンシューマ管轄代理店ルートでの販売も積極的に行っていく方針。
営業本部国内営業統轄部システム企画部・藁谷幸司次長は「当社のカラーページプリンタは、流通、教育、医療など特定業務市場で高いシェアを持っているが、一般オフィス市場の開拓については出遅れていた。コンパクト・高機能を実現した今回のSPEEDIA N3000シリーズを一般オフィス市場向けの戦略製品として位置づけ、コンシューマ管轄の代理店ルートも活用した新たな営業体制によって、カシオ全体でカラーページプリンタ事業拡大に取り組んでいきたい。N3500はA3カラー需要のボリュームゾーンをターゲットに、N3000はモノクロとの入れ替え需要をターゲットに拡販する」と、一般オフィス市場開拓に向けた戦略について説明した。
■ URL
カシオ計算機株式会社
http://www.casio.co.jp/
ニュースリリース
http://www.casio.co.jp/release/2006/n3500_3000.html
( 石井 一志, 唐沢 正和 )
2006/04/13 15:02
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