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富士通、“世界最高の処理性能”を実現したディスクアレイなど-最大容量は1.36PB


ETERNUS8000

処理IO数では世界最高性能を確保したという

ストレージシステム事業部 ストレージシステム事業部長、工藤哲朗氏
 富士通株式会社は4月20日、ハイエンドディスクアレイ「ETERNUS8000」とミッドレンジディスクアレイ「ETERNUS4000」の新モデルを販売開始すると発表した。各4モデルが提供され、出荷は6月30日より順次開始される予定となっている。あわせて、ストレージ関連ソフトのブランドを「SOFTEK」から「ETERNUS SF」へ変更し、ラインアップを一新して販売することも発表された。

 ETERNUS4000/8000は、既存製品「ETERNU3000/6000」の後継として発売されるディスクアレイ。このうちETERNUS8000はハイエンドストレージの位置付けとなり、「世界最高性能を実現する」(ストレージシステム事業部 ストレージシステム事業部長、工藤哲朗氏)という。指標としているのは処理IO数(IOPS)で、最上位のモデル2100ではETERNSU6000の上位モデルと比べて、SPC-1ベンチマークの目標値が2.5倍になった。「性能向上によって、より大規模なストレージ統合や、通常業務とバックアップ業務への多重対応などが可能になる」(同氏)。

 また大容量化に対するニーズに応えるため、最大容量が従来比2.7倍の1.36PBまで拡張されたほか、キャッシュやFC(ファイバチャネル)パス数の倍以上への拡張、4Gbps FCのサポートなどで性能を強化している。

 信頼性の面では、パリティを二重化して信頼性を向上させるRAID 6に対応。かねてから提供されているニアライン向けの500GB FC HDDと組み合わせることで、高い信頼性を持ったD2D(Disk to Disk)バックアップソリューションを構築できるという。従来同様、非動作時にHDDの回転を止めて省電力化を図るMAID(Massive Arrays of Inactive Disks)の機能も搭載している。

 セキュリティ関連の機能も強化した。HDD内のデータを暗号化する機能によって、追加のアプライアンスなどを用いなくとも、データを128ビットのAESで暗号化することが可能になっている。工藤氏はこの機能を、「HDDの持ち出しによる情報漏えいを防げる。個人情報保護法施行後、銀行などから期待されている機能だ」とアピールしていた。

 一方、ETERNUS4000でもハードウェア性能が強化され、最上位のモデル500は従来比1.5倍のIO性能を実現したほか、パス数の拡張、4Gbps FC対応、データ暗号化機能の搭載を実現している。さらにディザスタリカバリ関連機能において、100km以上のサイト間でもリモートコピーが行える非同期データ転送をサポートしたほか、ハイエンドストレージとの間でも接続が可能になるなど、上位製品のみが備えていた機能を搭載した。

 価格は、ETERNUS8000のモデル700が2326万円(税別)から、モデル2100が1億4659万円(同)から、またETERNUS4000のモデル80が188万円(同)から、モデル500が1803万円(同)から、などとなっている。


経営執行役 ストレージシステム事業本部長の利根廣貞氏
 経営執行役 ストレージシステム事業本部長の利根廣貞氏は、「日本版SOX法では、メールサーバー、ファイルサーバーを企業レベルで管理する必要が生じ、データの長期保存と早期のレポート提出が求められる。部門サーバーではこの要件が満たせず、ストレージ、サーバーの統合が必要になるだろう」と述べ、内部統制、コンプライアンス対応の強化によって新たなストレージ需要が見込めるとコメント。

 また、従来はサーバーやミドルウェアを含めたソリューションシステムとしての提案が多かったのに対し、2005年は他社製サーバーとの接続案件が増えてきたという現状を説明。「営業支援、SEの体制は充実してきた。さらに今回は(競合製品と)差別化できる機能が搭載され、他社のサーバーに十分対応できるビジネス体制が整った」として、ストレージプラットフォーム単体の販売拡大に意欲を示した。

 販売目標は2年間で1万4000システム。そのうち1万程度を国内での需要と見込む。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2006/04/20-1.html


( 石井 一志 )
2006/04/20 14:08

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