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キヤノン、オフィスでの使い勝手を向上させた液晶プロジェクター


今回発表された液晶プロジェクター3機種と小型液晶プロジェクター2機種
 キヤノン株式会社は4月26日、液晶プロジェクター「パワープロジェクター」シリーズの新製品として、同社独自の光学エンジン「AISYS(エイシス=Aspectual Illumination System)」を採用したSX6、SX60、X600の3機種と、XGAに対応した小型液晶プロジェクターのLV-7255、LV-7250の2機種を5月中旬から順次発売する。

 「キヤノンは、SXGA以上という高解像度の市場においては77.7%という高いシェアを獲得しており、この分野でのリーダー的存在だと自負している。今回の新製品群によって、その地位を絶対的なものとし、高解像度、高輝度、高コントラストの液晶プロジェクターならばキヤノンというイメージを定着させたい」(キヤノンマーケティングジャパン・山田文隆常務取締役)としている。

 SXGAの市場規模は、市場全体が18万台であるのに対して、わずか2000台と規模が小さい。だが、今後は、徐々に市場が拡大すると見込まれており、この分野における強みを維持していく姿勢を見せている。


キヤノンマーケティングジャパンの山田文隆常務取締役(左)と、キヤノン レンズ事業部・打土井正憲事業部長 キヤノンパワープロジェクターSX6

 SX6およびSX60では、1400×1050画素のSXGA+および3500ルーメンの輝度を実現。X600では、1024×768万画素のXGA、2500ルーメンを実現している。いずれも、日本ビクターの0.7型の小型サイズのLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を採用しており、高精細な映像投射が可能。また、SX6では、新開発のフィルターを採用し、より広い色域をカバーするAdobe RGBモードを搭載している。

 今回の新製品で特徴的なのは、性能だけでなく使い勝手にこだわったことだ。

 新たにオートセットアップ機能を搭載。自動的にピントを合わせる「オートフォーカス」、入力信号を判別する「オートインプット」、画面のひずみを認識して調整する「オートキーストーン」、壁色にあわせて色調整する「自動スクリーン色補正」の4つの操作を、ボタンを一度押すだけで実現。設置時の容易性を高めた。

 「この4つの操作が、すべて揃って初めてオートセットアップの意味がある。パーティションなどの色がある部分に投射しても正確な色再現ができるようにした」(キヤノン)という。

 オフィスの会議室や応接室では、投射用のスクリーンがなく、仕方なく、壁やパーティションなどに投射するといった使い方が少なくないのが実態。その際にも、適正な色再現を可能としており、さらに簡単な操作でバランス調整ができるという使い方は、企業での利用でかなり威力を発揮しそうだ。

 また、撤収する場合にも、これまでの機種では、電源をオフにしてから約90秒ほどのクーリングタイムが必要だったが、新製品では、すぐに撤収作業ができる。同社では、「撤収までの待ち時間は0秒」としている。

 一方、LV-7255は2500ルーメン、LV-7250は2000ルーメンの輝度を実現した小型液晶プロジェクターで、非球面レンズ2枚を使用した新開発の光学1.6倍ズームレンズを搭載しているほか、9秒でのクイックスタートなどを実現している。

 価格は、SX6が79万8000円、SX60が69万8000円、X600が49万8000円、LV-7255が34万8000円、LV-7250が19万8000円。



URL
  キヤノン株式会社
  http://canon.jp/
  ニュースリリース
  http://cweb.canon.jp/newsrelease/2006-04/pr-sx6.html?jp=sx6


( 大河原 克行 )
2006/04/26 16:54

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