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米AMDのフィル・ヘスターCTO
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Athlon 64 FX-62(右の緑色のPC)とPentium Extreme Edition 965(左の青色のPC)のベンチマークの様子。iTunesでMP3に変換したところ、Athlon 64 FXが3曲変換した時点で、Extreme Editionでは2曲しか変換できなかった
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日本AMDは5月24日、AMD Socket AM2プラットフォームを正式に発表。それに対応したデスクトップ向けCPUの新製品として、AMD Athlon 64 FX-62デュアルコアプロセッサと、AMD Athlon 64 X2デュアルコアプロセッサ5000+を出荷すると発表した。全世界の約40社のPCベンダーからSocket AM2プラットフォーム対応CPUを採用した製品が投入されることになる。
米AMDのフィル・ヘスターCTOは、「AMD Socket AM2プラットフォームは、単一ソケットですべての価格帯のCPUをカバーできるようになることで、OEMやODMベンダーにとっても、開発コストの低減につながる。ITマネージャや消費者にとっても、Socket AM2がもっとも威力を発揮する分野となる仮想化技術による既存資産の活用および共存という点でのメリットがある。Socket AM2では、AMD Virtualizationや高性能DDR2メモリなどへの対応を実現している。FB-DIMMを提唱している競合他社では、ダイレクトコネクト機能を有しないということや、次世代DDRメモリに比べて、消費電力も高く、ユーザーのコスト負担も大きくなる。メモリの機能で劣っているといわざるを得ない」と、インテルを強く牽制した。
Socket AM2プラットフォームに対応したマザーボードが、5社から投入される予定で、バリューラインで25~30ボード、メインストリームラインで15~20ボード、ハイエンドラインで20~25ボードが用意されることも明らかにした。
今回発表したAMD Athlon 64 FX-62デュアルコアプロセッサは、ハイパフォーマンス領域およびハイエンドゲームユーザー向けと位置づけており、また、AMD Athlon 64 X2デュアルコアプロセッサ5000+は、価格性能比を追求。「マルチタスク、マルチメディア、生産性向上を狙う領域に最適化したものになる」(ヘスターCTO)とした。
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Socket AM2対応のプロセッサ
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Socket 939とSocket AM2との差分情報。変更箇所を少なくしたことで、移行コストを最小限にとどめている
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今回発表されたAthlon 64 FX-62とAthlon 64 X2 5000+
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米AMDコマーシャル事業部担当上席副社長・マーティー・セイヤー氏
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米AMDのダーク・マイヤー社長兼COO
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米AMDコマーシャル事業部担当上席副社長・マーティー・セイヤー氏は、「2006年末には、サーバー市場で20%のシェアを獲得するとともに、法人向けクライアントPC市場においては15%のシェア獲得を目指している。すでに第1四半期においては、サーバー市場で20%のシェアを獲得した」とし、「データセンターにおける課題は、消費電力であり、それに対して、低消費電力というソリューションを提供している。この実績をベースにして、法人向けクライアントPC市場におけるシェア拡大に臨みたい」とした。
また、セイヤー氏は、すべてのデータセンターにOpteronを採用すると10億ドル以上のエネルギー消費が節約できたという試算を発表し、「Opteronを採用していないために、1秒間に24ドルずつ、余分にエネルギーが消費されている」と語った。
また、AMDは、11四半期連続で、前年比20%以上の高い成長率を達成。最近の2四半期では、70%以上の成長を遂げていることを示し、「AMDは、製品中心から顧客中心へと戦略をシフトし、リーダーシップを発揮している。現在、コマーシャル、デジタルライフスタイル、成長性の高い新興市場への投資を強化している。データセンターにおける低消費電力、モバイルソリューションに対する長時間バッテリー駆動を実現するという2つの領域に対して、エンジニアリングの人材および時間を振り分けている。2009年には、サーバー市場で圧倒的な地位を獲得したい」とした。
また、来日した米AMDのダーク・マイヤー社長兼COOは、「インテルとの訴訟は、反競争関係を排除すべく、継続的に行っていきたい」とした。
■ URL
日本AMD株式会社
http://www.amd.com/jp-ja/
( 大河原 克行 )
2006/05/24 15:46
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