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NetApp FAS6000シリーズの上位モデル、FAS6070
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米Network Applianceの副社長兼ジェネラルマネージャ、リッチ・クリフトン氏
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日本ネットワーク・アプライアンス株式会社(以下、ネットアップ)は5月25日、モジュラー型ディスクアレイ「FASシリーズ」の最上位製品として、「NetApp FAS6000シリーズ」を発表した。同社はこの製品で、エンタープライズデータセンターなどで利用されているハイエンドストレージ市場に参入し、シェア獲得を狙う。また、これまでは個別に提供されてきた管理ソフト製品群を「NetApp マネージャビリティソフトウェアファミリー」として体系化することも明らかにしている。
FAS6000シリーズは、SAN/NASの両環境に対応するディスクアレイで、これまで最上位だったストレージ「FAS980」のさらに上位に位置付けられる。ラインアップには、最大容量420TBの「FAS6030」と、同500TBの「FAS6070」が用意された。インターフェイスは2Gbps FCとGigabit Ethernetのほか、最新の4Gbps FC、10Gigabit Ethernetにも対応できる。
特徴は、ユーザーの必要に応じて柔軟に構成を変更できるモジュラー型ストレージでありながら、同社が“フレームアレイ”と呼ぶ、いわゆるハイエンドストレージ(EMCで言えばSymmetrixシリーズ)と同等の性能、スケーラビリティを備えていること。米Network Applianceのエンタープライズデータセンターおよびアプリケーション事業部門 担当副社長兼ジェネラルマネージャ、リッチ・クリフトン氏は、「容量はモジュラーを超え、フレームアレイの領域に入っている。帯域という観点からも、フレームアレイストレージに匹敵する」と自信を示した。
また大規模環境でのアプリケーション統合を推進するため、ストレージ向けOS「Data ONTAP」の新版に搭載された新たな管理ソフト「Flex Share」によって、システム上のI/O処理に3段階の優先度をつけられるようにした。この機能を利用すると、優先度の高い作業のパフォーマンスに影響を与えることなく、インフラの処理を効率化できるという。
FAS6000シリーズの価格は、最小構成で3754万4000円より。ネットアップでは、今期売り上げのうち2割程度を、同製品の販売によってあげたい意向である。
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ネットアップの代表取締役社長、鈴木康正氏
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FAS6000の主な販売対象は、データセンターにおけるストレージ統合を目指す企業。海外ではエネルギー、金融の各業界や、SAPなどのビジネスアプリケーションにおける水平展開で用いられるケースがあるという。また国内でもすでに「xSPや、(もともとネットアップの強い)製造業から引き合いがある」(ネットアップの代表取締役社長、鈴木康正氏)ほか、「金融分野の既存顧客、見込み顧客でも話がある」(クリフトン氏)状況。
クリフトン氏は「生産性を向上させることの可能な新しいハイエンドプラットフォームを通じて、劇的に新しいモジュラー型ストレージの実現が可能。大規模環境のユーザーにも、確実にメリットを提供できる」と自信を示したほか、鈴木氏も、「ちょっと離れていると見られていたデータセンター分野でも競合と戦っていける。(FAS6000で)メインストレージ市場に殴り込む」と意気込みを語った。
一方ソフトでは、データの可用性、生産性の向上や管理コストの削減などの目的を達成するため、管理ツールを体系化した。このNetAppマネージャビリティソフトウェアファミリーは、同様の既存製品がベースになっているが、クリフトン氏は「今まではポイントプロダクトとして提供されていたものがファミリーとなり、相互運用性のために機能強化された」と説明。アプリケーションから、サーバー、ストレージと多数の管理者がいる大規模環境でも、アプリケーションから一気通貫で管理できるように透明性を高め、運用効率を上げられるようにしている。
■ URL
日本ネットワーク・アプライアンス株式会社
http://www-jp.netapp.com/
プレスリリース
http://www-jp.netapp.com/news/press/2006/news_rel_20060525.html
( 石井 一志 )
2006/05/25 18:16
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