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EMCジャパン、フル4Gbps FC対応のミッドレンジストレージ


EMC CLARiX CX3 UltraScaleシリーズの最上位機「CX3-80」

EMCジャパンの代表取締役社長、ナイハイゼル・エドワード氏
 EMCジャパン株式会社は5月30日、ファイバチャネル(FC)ディスクアレイ「EMC CLARiX CX3 UltraScaleシリーズ」(以下、CLARiX CX3)の3モデルを販売開始すると発表した。同社のストレージ製品の中でもミッドレンジに位置付けられる製品。4Gbps FCに対応した新アーキテクチャを採用して処理性能を強化したほか、HDDを最大で従来製品の倍まで搭載できるようにするなど、スケーラビリティを拡張している。

 CLARiX CX3は、これまでの「CX300/CX500/CX700」に代わるストレージとして提供される製品で、最大搭載可能なHDD数はそれぞれ120基、240基、480基。最上位機「CX3-80」では最大239TBのストレージ容量を備えることが可能だ。

 またサーバー接続側のフロントエンドからディスクインターフェイスまでをフル4Gbps対応させた新アーキテクチャ「EMC CLARiX UltraScale」に対応し、コントローラ部のCPU強化、キャッシュの増量などによって基本性能を向上させている点も特徴という。「競合に先んじて新技術を採用。ボトルネックなく、サーバーからディスクまでをつなぐことが可能だ」(米EMC Corporationのミッドレンジ・システム部門上席副社長兼ジェネラル・マネージャ、ジョエル・シュワルツ氏)。

 HDDは、4Gbps対応の15000rpm FCタイプ(最大146GB)、2Gbps対応の10000rpm FCタイプ(最大300GB)、7200rpmの低価格FCタイプ(最大500GB)の3種類が用意され、同一のコントローラを利用しながら、異なる種類のHDDを混在させることもできる。これによって、データの重要性に応じて保存場所を変える「ILM(情報ライフサイクル管理)」を同一製品内でも実現することが可能とのことで、EMCジャパンの代表取締役社長、ナイハイゼル・エドワード氏は「全体をコストダウンするためには、ILMの上で階層型ストレージを構築するのが重要だ」と述べた。

 あわせて新製品では、利便性と保守性も向上している。顧客もしくはパートナーによって、HDD、電源、冷却ファン、SFP対応の光学トランシーバーなどが交換できるようになったほか、2006年第3四半期以降には、既存のアレイにオンラインで容量を追加したり、OSのオンラインアップデートを行ったりできるようにする予定。「このアップデートでは、(既存の小型ストレージである)AX100で学んだユーザーの声を反映した」(EMCジャパン)。なお、CLARiX CX3では既存製品との互換性を維持しているため、顧客の投資を保護することが可能とのこと。

 価格は、エントリー機の「CX3-20」が429万円から、中位機の「CX3-40」が917万円から、CX3-80が1595万円から。EMCジャパンでは新製品を中堅企業よりも上の規模の顧客を中心に販売し、「1けた台のシェアを2けた台の上の方へ持っていきたい」としている。



URL
  EMCジャパン株式会社
  http://www.emc2.co.jp/
  ニュースリリース
  http://japan.emc.com/news/emc_releases/showRelease.jsp?id=4417&l=ja&c=JP


( 石井 一志 )
2006/05/30 17:41

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