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デル、デュアルコアXeon搭載の第9世代サーバーを投入

DPSはサービスメニューと陣容を拡張

PowerEdgeのラインアップ
 デル株式会社は6月20日、x86サーバー製品である「PowerEdgeシリーズ」を一新。新製品を第9世代サーバーと位置づけた「PowerEdge 2950」など4製品を、順次出荷すると発表した。さらに、Microsoft Windows Storage Server 2003 R2を採用したPowerEdgeブランドのミッドレンジNAS製品として、PowerEdge 2900/2950 Storage Serverの販売も開始した。

 今回投入した第9世代サーバー製品は、1Uラックの「PowerEdge 1950」、ブレードサーバーの「同1955」、タワーおよび5Uラックの「同2900」、2Uラックの「同2950」の4機種。第9世代とわかるように、型番名の100の位に「9」の数字を使用している。


PowerEdge 1950 PowerEdge 1955

PowerEdge 2900 PowerEdge 2950

エンタープライズマーケティング本部・桜田仁隆本部長

各サーバーの特長
 エンタープライズマーケティング本部・桜田仁隆本部長は、「今回の第9世代サーバーは、当社が目指すスケーラブル・エンタープライズ戦略を実現する主要製品となる。すべてをデュアルコアとするなど、最新かつ業界標準のテクノロジーを活用することで、幅広い用途やユーザーに対して、高いコストパフォーマンスを提供することができる」と語る。

 CPUには、開発コードネームでDempseyと呼ばれる5000番台のデュアルコア インテルXeonプロセッサを搭載。さらに、開発コードネームでWoodcrestと呼ばれる5100番台のCPUも搭載する。これにより、従来サーバー製品と比較して、最大152%ものパフォーマンス向上を図りながら、最大25%の消費電力低減を実現している。

 さらに、メモリには、Fully Buffered DIMM(FBD)DDR2メモリを採用。最大4.8Gb/sのスループットを実現するなど、アクセスの高速化、大容量化、信頼性を向上させている。

 HDDには、シリアルアタッチドSCSI(SAS)と、シリアルATA II(SATA II)を採用。ラックマウントタイプのサーバーでは、2.5インチと3.5インチのSASを選択することが可能で、柔軟なディスク構成を可能としている。

 「性能と信頼性重視、あるいは容量とコスト重視といったように、用途にあわせて選択できるようにしている点も大きな特徴。これら最新の標準技術を採用することにより、サーバー全体の処理能力および可用性向上を実現している」(桜田本部長)としている。

 加えて、管理性を高めるため、シャーシおよびソフトウェアの全面的な見直しを実施。システム管理インターフェイスであるIPMI 2.0にいち早く対応したシステム管理ソフトウェア「Dell OpenManage 5.0」を搭載することで、システム管理の簡素化と利便性向上、セキュリティ機能の強化を図っている。また、リモート管理カード「Dell Remote Access Controller 5(DRAC5)」による仮想メディアの暗号化やリモート管理機能の強化、インテルVT(Virtualization Technology)対応による仮想化環境の実現なども特徴となっている。

 価格は、PowerEdge 1950が27万3420円から、同1955は未定、同2900が26万0820円から、同2950が30万4920円からとなっている。


 一方、PowerEdge 2900/2950 Storage Serverは、PowerEdge 2900/2950をベースにしたミッドレンジ向けNAS製品。ホットスワップが可能な次世代のSCSIインターフェイスであるSASと、SATAのHDDに対応し、最大5TBの大容量を実現する。

 価格は、PowerEdge 2900 Storage Serverが36万5820円から、同2950が37万8420円から。

 なお、同社が今後投入を予定しているAMD搭載のハイエンドサーバーに関しては、この第9世代とは別の製品として投入されることになる。


デル・プロフェッショナル・サービス事業部兼アドバンスド・システムズ・グループの諸原裕二技術本部長

DPSのフォーカスエリア
 一方、同社では、デル・プロフェッショナル・サービスに関する強化についても明らかにした。

 デル・プロフェッショナル・サービス事業部兼アドバンスド・システムズ・グループの諸原裕二技術本部長は、「第9世代サーバーの投入によって、スケールアウト型のシステム構築はますます高い効果を発揮することになる。同時に、デルに対しては、幅広いニーズへの対応が求められ、DPSのフォーカスエリアも拡大することになる。DPSは、システム統合、レガシーマイグレーション、ITインフラストラクチャのマイグレーションやアップグレード、新規ITインフラ構築、といった4つの領域からフォーカスしたインフラストラクチャ構築のテクノロジーサービスであり、アセスメントから設計、検証、導入、サポートまでエンド・トゥ・エンドで対応する。今後は、サーバー/ストレージといった製品レベルのサービスだけでなく、データセンターのインフラ、アセスメントも対象にしていくことになる。x86サーバーの適用範囲拡大に伴う、レガシーマイグレーション体制の強化も図りたい」としている。

 同社では、こうした動きにあわせてDPSの陣容を強化する方針で、「今後1年半で、現在の100人体制から200人体制へと拡充する」(諸原技術本部長)との方針を明らかにしたほか、「今年7月には、外部のパートナーからもリモートアクセスが可能なHPCCラボを開設する予定で、デルの施設を外部から利用して、ベンチマークを行うことができるようになる」とした。

 さらに、従来は、平日昼間に限定していたソフトウェアサポート体制を、第9世代サーバー製品からは24時間体制とする計画で、来年1月末までには実施に移す考え。また、ソフトメーカーと協業する形で提供している障害対応も、現在のプラチナ、ゴールド契約者以外にも広げる考えを示した。

 「日本の顧客のなかには、アジア全体を視野に入れたシステム構築を行う例もあり、中国、台湾、アジア全域でのサービスメニューの整合性を図る必要も出てきた。これまでは国個別のサービスメニューだったものを、グローバルに対応できる形へと発展させる」(諸原技術本部長)としており、サービスメニューの拡充とともに、グローバル展開を視野に入れたメニュー整備にも乗り出す考えだ。



URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/
  プレスリリース
  http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pressoffice/2006/060620?c=jp&l=jp&s=corp


( 大河原 克行 )
2006/06/20 21:25

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