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インフォトレンド、SAS/SATA HDD両対応のFCストレージ-RAID 6もサポート


S12F-G/R1420
 有限会社インフォトレンドジャパン(インフォトレンド)は6月22日、RAIDサブシステム「EonStorシリーズ」の新製品として、「S12F-G/R1420」「S16F-G/R1430」を発表した。前者は12台、後者は16台のSAS/SATA HDDを格納できる製品で、ダブルパリティのRAID 6にも対応できるなど、信頼性を向上させている。国内での販売開始は8月からの予定で、従来通り筐体だけでの提供も行うが、HDDを搭載した状態でも販売するという。

 S12F-G/R1420とS16F-G/R1430はともに、FC(ファイバチャネル)接続のRAIDサブシステムで、ホスト向けに最新の4Gbps FCポート×4を備える。HDDは、パフォーマンスを優先するユーザーならSAS、コストと容量を優先するユーザーならSATAといったように、用途に応じて選択できるほか、両者の混在にも対応する。格納可能な台数はS12F-G/R1420が最大12台、S16F-G/R1430が最大16台。

 また、柔軟なシステム構成と運用を行えるIOSmart、安全な状況下でデータ保管が可能なDrvSmart、自動的にデータ保護を実施するSysSmartなどのファームウェアを搭載している点も特徴とのこと。

 対応RAIDレベルは0/1/3/5/6/10/30/50/60。未使用時には自動的にドライブの回転を止める省電力機能「Drive Spindown」も搭載しており、「高い省エネ効果が見込める」(代表取締役の小林宗夫氏)とのこと。待機時からは7秒間で復帰可能だという。

 想定価格はS12F-G/R1420の場合、500GB SATA HDD×12を搭載した製品で150万円程度から。


代表取締役の小林宗夫氏
 なお今回の発表会では同時に、インフォトレンドジャパンの日本市場における戦略についても、説明が行われた。インフォトレンドジャパンは、世界的にRAIDサブシステムを展開する台湾企業、Infortrend Technologyの日本法人。国内でも独自に製品を販売するほか、OEMも積極的に展開しており、カノープスやニューテック、ぷらっとホームから各自のブランドで製品が提供されている。

 同社は当初、製品サービスの向上のために設立されたが、2005年10月より、日本での方針を積極的営業に転換。ユニアデックスと提携してサポートを強化するなど、国内でのブランド確立のために力を費やしているという。小林氏は、販売網の整備やサポートの確立、HDD搭載モデルの提供といった販売戦略によって、国内市場でも積極的な販売を行っていく考えを示した。

 販売ターゲットとなるのは、ミッドレンジから下の層。小林氏は「FC-FC接続のモデルからSCSI-SATAモデルまでフルラインアップをそろえているのが強み。付加価値をローコストで求められるミッドレンジ層から、価格を第1に求められるローエンド層まで、十分対応が可能だ」とした。

 またあわせて、アライアンスによるアプローチも進める。放送局・ビデオ編集市場へのアプローチとして、前述のようにカノープスへOEM提供をする一方、これまで提供してこなかったNAS市場も視野に入れ、NASヘッドを提供する企業とも提携を行う。さらに、ソフトベンダとの連携による、ソリューション提供も進めたい意向で、レプリケーションソフトのベンダと組んでのアプライアンス提供を2006年第3四半期に予定するほか、バックアップソフトを持つFalconStor、Windows Storage Serverを持つマイクロソフトとの共同マーケティング活動も行うとのこと。

 製品も、「パフォーマンスを要求されることが多い」(小林氏)点を意識し、今回発売されるS16F-G/R1430を皮切りに、年内に全機種をグレードアップ。新たに開発された高性能ASIC「ASIC400」搭載モデルに切り替えていく予定だ。



URL
  有限会社インフォトレンドジャパン
  http://www.infortrend.co.jp/


( 石井 一志 )
2006/06/22 18:06

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