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日本HP、Xeon 5100番台搭載の新ワークステーション-価格性能比が大幅に向上


HP xw6400/CT Workstation

HP xw8400/CT Workstation
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は6月26日、「HP xw6400/CT Workstation」(以下、xw6400/CT)「HP xw8400/CT Workstation」(以下、xw8400/CT)の両ワークステーションを発表した。最新のデュアルコアCPUであるXeon5100番台を搭載し、価格性能比が大幅に向上している。販売開始は7月下旬の予定で、カスタマイズにも対応する。

 Xeon 5100番台(開発コード名:Woodcrest)は、インテル Coreマイクロアーキテクチャに対応したCPUの第1弾。前世代のCPUと比べて省電力化を達成したほか、低いクロック周波数でも性能が向上している点が特徴で、日本HPも「マルチコア化、64ビット化の真打ちとして登場するのがWoodcrest。重要な要素がそろった、大きな製品になる」(ワークステーションビジネス本部の井上公夫本部長)ととらえている。

 そのXeon 5100番台を搭載するxw6400/CT、xw8400/CTは、既存の「xw6200/CT」「xw8200/CT」の後継として登場した製品。CPUだけでなくFB-DIMM、新しいグラフィックスも搭載し、性能を強化している。また日本HPならではの大きなメリットとして、筐体を継続した点があるという。この筐体は、専門に担当している部隊が3年前に開発したとのことで、ワークステーション・ビジネス本部の小島順氏は「今回も変える必要がないくらい成熟している。ツールフリー構造でメンテナンス性がよい点や、19インチラックにマウントできる点などを受け継いだ」と述べている。

 2モデル提供されるうち、xw8400/CTはハイエンドCADやCGなどの市場を狙ったもの。小島氏は、「大きなデータを取り扱いたいユーザーは64ビットへ移行しているが、今までの製品ではパフォーマンスが足りないといわれていた。新XeonではCG系、レンダリングする顧客では非常にパフォーマンスがあがる」と説明。また、xw6400/CTについては「コンパクトな筐体でさらに静かになった。広い顧客で使っていただける」としたほか、前モデルの利用が多かった「金融市場でも引き続き使っていただきたい」と述べた。

 なお64ビット環境では、同じハードウェアを利用しても20~30%はパフォーマンスがあがるという。小島氏は加えて、「日本HPの64ビットへの取り組みはUNIXワークステーション以来で、長い歴史がある。64ビット化は当社にとってチャンス」ともコメントしている。


ワークステーションビジネス本部の井上公夫本部長 xw6400(右)の性能の高さを示すデモ。xw6200(左)と比べて、倍以上の描画速度が得られている CPUの変更に加え、64ビット化でも大きな性能の向上が見られるという

ワークステーション・ビジネス本部の小島順氏
 xw8400/CTの最小構成は、Xeon 5110(1.60GHz)×1、インテル5000Xチップセット、512MB DDR2メモリ(最大16GBに対応予定)、80GB SATA HDD(7200rpm)、グラフィックスレス、CD-ROM、Gigabit Ethernet、USB 2.0×8、Windows XP Professionalといったスペックで20万2650円から。

 一方、xw6400/CTの最小構成は、Xeon 5110(1.60GHz)×1、インテル5000Xチップセット、512MB DDR2メモリ(最大16GBに対応予定)、80GB SATA HDD(7200rpm)、グラフィックスレス、CD-ROM、Gigabit Ethernet、USB 2.0×8、Windows XP Professionalといったスペックで16万5900円から。

 両製品とも、CPUは2基まで搭載することが可能で、カスタマイズでは、Xeon 5130(2GHz)/5140(2.33GHz)/5150(2.67GHz)/5160(3GHz)に変更できる。HDDはxw8400/CTが5基(SASは4基)、xw6400/CTが3基まで搭載でき、SATAは80/250/500GB(7200rpm)ドライブが、SASは73GB(15000rpm)ドライブが利用できる。グラフィックは、NVIDIA Quadro NVS 285、同 440(xw6400/CTのみ)、NVIDIA Quadro FX 560/FX1500/FX3500/FX4500、ATI FireGL V3300/V7200といった製品が提供される。

 なお、日本HPでは、Pentium Dを搭載するエントリーモデルから、Opteronを搭載するハイエンドモデル、Core Duoを搭載するモバイルタイプまで、ワークステーションのラインアップを幅広く用意している。今回の新製品はデスクトップ型のうち真ん中部分を置き換えることになるが、同社は整数演算に強い新Xeonの性能に着目。「浮動小数点演算が必要なものはハイエンドのOpteronモデルを、整数演算が必要なものには新Xeonモデルを、と切り分けておすすめする」という方針で臨むとのこと。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2006/fy06-133.html

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( 石井 一志 )
2006/06/26 16:17

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