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NEC、ワークステーション製品群を強化―水冷式やXeon 5100番台搭載など


Express5800/54Ca

第二コンピュータ事業本部 副事業本部長、百瀬裕也氏

水冷部分のアップ。右下のファンは内部かくはん用だという
 日本電気株式会社(以下、NEC)は7月12日、ワークステーション製品群を「SEGUENTE」シリーズに位置付け、ラインアップを強化すると発表した。既存のハイエンドモデルに、最新のデュアルコアCPUであるXeon 5100番台を採用するほか、放送業務向け新モデルの投入、水冷式の静音ワークステーションの発売などを行う。

 今回新たに発売される水冷式ワークステーション「Express5800/54Ca」は、静音性を強化した製品。すでに提供されている水冷式のサーバーやクライアントPCでの経験を生かして、ささやき声並みの「35dB以下」の低騒音を実現。「高性能と静音を両立させた」(第二コンピュータ事業本部 副事業本部長、百瀬裕也氏)という。

 CPUの冷却機構に新開発の小型水冷装置を用いて、同等性能比で30%減の体積を実現。内部にはかくはん用ファンなど数個の冷却ファンを備えているものの、大口径で低速なものを採用することで、騒音を抑えている。「ワークステーションはグラフィック性能の必要ないサーバーなどに比べて、30%発熱が多く、どうしても騒音が大きくなる。しかし設計環境では静音の製品が望まれていた」(百瀬氏)。

 CTOに対応するため、構成はさまざま可能だが、一例として、Pentium 4 631(3GHz)、512MBメモリ、80GB SATA HDD、CD-ROM、Quadro NVS 285、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポート、Windows XP Professionalといった構成で、31万2000円(税別)。CPU(Pentium 4 651/661)、メモリ(最大2GB)、HDD(最大250GB)、光学ドライブ、グラフィックスアクセラレータなどのカスタマイズが可能だ。チップセットはインテル955X Express。出荷は7月20日より開始する予定。

 なおNECでは、Pentium 4以外にも、Core Duoや、より最新のCPU採用も視野に入れており、要望があれば、順次水冷式モデルの拡充を行っていくとのこと。

 同時に発表されたハイエンドの2Wayモデル「Express5800/56Xd」の新製品は、Xeon 5100番台を採用している点が特徴。同CPUは、Coreマイクロアーキテクチャをはじめて採用したインテルの最新CPUで、この製品ではXeon 5110(1.60GHz)/5150(2.66GHz)/5160(3GHz)のいずれかと、FSB 1333MHz対応のインテル5000Xチップセットを搭載する。

 こちらも構成はさまざま可能だが、一例として、Xeon 5110×1、1GBメモリ、80GB SATA HDD、CD-ROM、Quadro NVS 285、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポート、Windows XP Professionalといった構成で37万9000円(税別)。HDDにはSASを利用することも可能なほか、メモリは最大16GB(64ビット版OSの場合)まで搭載できる拡張性を備える。

 NECはこのワークステーション分野において、ある調査会社の調査によると、現在国内シェアが第2位で、トップの外資系ベンダと比べるとまだ開きがある状態という。しかし、百瀬氏は「日本のオフィス環境を十二分に熟知しており、静音、省スペース、放送対応などそれにあった製品を出せるのが(国内ベンダである)当社だ」と述べ、新モデル投入などによって、2006年度中に「シェアトップに肉薄する」(同氏)としている。NECではワークステーション全体で、2006年度に、前年比で50%増の7万台の販売を見込む。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0607/1201.html


( 石井 一志 )
2006/07/12 16:47

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