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HTC、Windows Mobile 5.0ベースの法人向けスマートフォン


スライド式キーボードを引き出した状態の「hTc Z」

ダルマに目を入れるHTCのチョウCEO(左)と、NTTドコモの三木プロダクトビジネス部長
 HTC Nippon株式会社は7月18日、Windows Mobile 5.0 software for Pocket PC Phone Edition(以下、Windows Mobile 5.0)ベースのスマートフォン端末「hTc Z(ズィー)」を発表した。HTC Nipponは台湾High Tech Computer(HTC)の国内法人で、4月に設立された会社。今回はNTTドコモを通じてhTc Zを販売し、営業、マーケティング、サポートなどの活動を行うとのこと。

 hTc Zは、W-CDMAとGSM/GPRSに対応した携帯電話端末。PDAライクなデザインになっており、スライド式のQWERTY配列キーボードを搭載する代わりに、一般的な携帯電話が持つダイヤルキーは搭載しない。液晶はタッチパネル式の2.8型で、240×320ドット、6万5536色の表示を行える。

 通信機能は3G携帯のほか、IEEE 802.11b/gの無線LANとBluetoothに対応。microSDカードスロットやUSB 2.0ポート、赤外線通信ポートなども用意される。カメラは200万画素のものと、テレビ電話用の10万画素のものを搭載した。

 OSにWindows Mobile 5.0を採用しているため、PCとの親和性が高いのも特徴。Internet Explorer MobileやOffice Mobile、Pocket Outlook、Windows Media Player 10 Mobile、PDF Viewerなどが利用できる。またスケジューラなどのPIM機能を搭載しており、ActiveSync経由でPCとそれらのデータを同期させることも可能だ。なお、iモードには対応しない。

 サイズと重量は112.5×58×22mm(H×W×D)、176g。連続待受時間は約180~250時間(W-CDMA方式時)、連続通話時間は約120~240分(同)。

 類似の端末としてはウィルコムの「W-ZERO3」があるが、それに対する差別化ポイントとしては、HTCのCEO、ピーター・チョウ氏が、「3G携帯で通信が高速なこと、国際ローミングが可能なこと、小さく、電話としての使い勝手が良いこと」を挙げている。

 こうした特徴を持つhTc Zだが、基本的に法人をターゲットとして考えられており、システム一式での提供が基本となる。企業向けリモートアクセスサービス「ビジネスmoperaシリーズ」に対応し、社内LANをFOMAネットワークと接続することにより、リモートアクセス環境での利用も可能。Windows ServerやExchange Server 2003 SP2との連携により、Direct PushによるPushメール、スケジュール同期、またリモートワイプなどのセキュリティ機能にも対応する。

 NTTドコモ 法人営業部 プロダクトビジネス部長の三木茂氏は、「法人の売り上げは全体の約1割を占めるが、大半が端末と通信・通話料で、ソリューション提案による部分はわずか」と述べた上で、SDKの利用でアドインアプリケーションの作成が容易な点を取り上げ、「多様化する法人のニーズに対応するためには、よりプログラマブルな端末が必要だ」と、hTc Zを提供する背景を語った。

 またhTc ZはNTTドコモブランドではなく、同社でははじめてメーカーブランドでの発売となる。これについて三木氏は「マーケットのニーズに素早く対応するためのスキームを立ち上げた」としたほか、チョウ氏も「カスタマイズが必要な場合に対応するなど、企業顧客に迅速なサポートが提供できる」とその意義を説明した。



URL
  HTC Nippon株式会社
  http://japan.htc.com/
  hTc Z
  http://japan.htc.com/product.htm


( 石井 一志 )
2006/07/18 17:05

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