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日本IBM、UNIXサーバーのラインアップを強化-64コア搭載のハイエンドモデルなどを発売


今回発表されたSystem p5 595

システム製品事業 システムp事業部長 理事の武藤和博氏
 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は7月26日、UNIXサーバー「IBM System p5」のラインアップを強化すると発表した。ハイエンド領域で「System p5 590」「同 595」を発売するほか、1U~4Uラック型のエントリーモデルでは搭載可能なCPUの周波数を向上させた。また1Uラック型の「System p5 505」において、4コアモジュールを搭載可能な「System p5 505Q」を提供開始する。なお今回の新モデル提供によって、UNIXサーバーのブランドは以前の「IBM eServer p5」からIBM System p5への移行が終了している。

 p5 590/595は、UNIXサーバーの最上位に位置するエンタープライズサーバー。p5 595では2.3GHzのPOWER5+を最大32Way(64コア)搭載でき、1.9GHz POWER5を採用していた従来機と比べて約1.2倍の処理性能を持つという。システム製品事業 システムp事業部長 理事の武藤和博氏は、その特徴を「圧倒的なプライスパフォーマンス」と表現する。

 具体的な指標となるベンチマークにおいて、他社製の同等構成サーバーと比べて、TPC-Cベンチマークで約3.2倍、2階層SAP標準アプリケーションSDベンチマークでは約1.1倍の処理性能をマークするなど、好成績を残しているという。また性能について武藤氏は「1つのCPUがこれだけ速いということは、CPU課金をしているソフトの料金体系にもメリットがある。TCOが大幅に下がる」と述べた。

 一方、エントリーモデルでは4コアモジュールのQCM(Quad Core Module、POWER5+ 1.65GHz)を搭載したp5 505Qを新たにラインアップ。2コアモジュールのDCMを搭載していた従来機と同じ電源容量で、大幅に性能を向上させることができたとしている。

 武藤氏はこうしたp5シリーズの強みとして、「プライスパフォーマンス」のほか、Advanced POWER Virtualization Systemに代表される「仮想化」の技術、「部品障害があっても全体障害につながりにくい汎用機並みの信頼性」の3つを挙げる。そして、重点的に提案していく適用範囲について、「高いプライスパフォーマンスと仮想化技術を生かしたサーバー統合に利用できる。ありあまるCPUリソースを用いて他社製UNIXサーバー、メインフレームからp5シリーズに乗り換え、圧倒的なTCOの削減を実現いただきたい」とした。

 日本IBMでは乗り換えを促進するため、UNIX Migration Center of Competency(UMCoC)を4月に開設し、11社におよぶビジネスパートナーとの技術協業などによってp5シリーズへの移行を支援している。また今回、他社UNIXサーバーから乗り換える顧客向けに、日本IBMのリース利用時に最大8%相当額(1500万円が上限)を割り引くキャンペーン、仮想化機能の導入・設定サービスを最大40時間まで無償で提供するキャンペーン、の2つを提供し、乗り換えの促進を図る。

 価格は、p5 590が9296万280円から、p5 595が1億5907万5420円から、p5 505Qが107万4465円から。それぞれ8月11日より出荷を開始する。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  プレスリリース
  http://www-06.ibm.com/jp/press/20060726001.html

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( 石井 一志 )
2006/07/26 16:30

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