Enterprise Watch
最新ニュース

日本HP、IPFサーバーに“Montecito”搭載モデルを追加-エントリーモデルも拡充


HP Integrity rx6600

執行役員 エンタープライズストレージサーバ統括本部の松本芳武統括本部長
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は9月7日、デュアルコアItanium 2 9000番台を搭載するIPFサーバー「HP Integrity」を販売開始すると発表した。ハイエンド製品を中心とする既存製品にItanium 2 9000番台を搭載するほか、新たにエントリーサーバー「HP Integrity rx3600」と「同 rx6600」を投入し、中小規模環境においてもIPFサーバーの浸透を図る。執行役員 エンタープライズストレージサーバ統括本部の松本芳武統括本部長は、「新CPUでローエンドからハイエンドまでシェアを一気に伸ばし、シェア1位を取りたい」と抱負を述べた。

 Itanium 2 9000番台は、コードネーム「Montecito」として開発が進められていたデュアルコアCPUで、インテルより7月に発表されている。このCPUではデュアルコア化に加え、1コアあたりの性能改善、電力効率の改善、ハードウェアレベルで仮想化をサポートするVT(バーチャライゼーションテクノロジー)への対応など、各方面で大幅に機能が向上した。加えて、キャッシュメモリエラーの際に自動的にキャッシュラインを無効にする「キャッシュセーフテクノロジー」に対応し、信頼性が向上した点も大きいという。

 今回日本HPでは、ハイエンドサーバーの「HP Superdome」をはじめ、rx8640/rx7640/rx4640/rx2620の各製品で、このItanium 2 9000番台を搭載可能にした。これによって、電力効率が約2.5倍に向上したほか、「デュアルコア化によって、1クラス上のサーバーと同等のスケーラビリティを達成した」(ビジネスクリティカルサーバ製品本部 サーバプロダクトマーケティング部、森成隆部長)という。

 またエントリーサーバーの拡充を目的に、rx3600/rx6600を発売する。今回の製品投入について、ビジネスクリティカルサーバ製品本部の榎本敏之本部長は、「UNIXサーバーではシステムの大小にかかわらず信頼性を重視する面があるが、この分野では、大きなサーバーが必要ないシステムであっても、信頼性を重視すると大きめのサーバーになってしまっていた」と説明。この製品によってニーズに的確に応えていくとしている。

 rx3600は1Way(2コア)、rx6600は2Way(4コア)のIPFサーバーで、日本HPが独自に開発したzx2チップセットと、Itanium 2 9000番台のキャッシュセーフテクノロジなどによって、信頼性が大幅に向上したという。メモリはそれぞれ48GB、96GBをサポートし、2006年末の4GB DIMM投入でさらに倍の容量に対応予定。HDDは2.5型の小型SASドライブを採用し、rx3600で8台、rx6600で16台を搭載できる。榎本本部長によれば、「内部ストレージを多数搭載可能にして、外部ストレージなしでも利用できるようにした」とのこと。また次期Itanium 2である「Montvale」もサポートする予定である。

 なお日本HPでは今回、中小規模ユーザーに対する販売を拡大するため、メモリやHDD、OSなどをバンドルしたパッケージ「HP Integrity QuickValue」も販売を開始する。rx2620とrx3600をベースとした2パッケージが用意されており、rx2620ベースの場合は、Itanium 2 9015(1.40GHz)×1、2GBメモリ、73GB HDD×2、DVDドライブ、HP-UX 11i v2プリインストールで115万5000円から。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2006/fy06-164.html

関連記事
  ・ インテル、「Montecito」改め「デュアルコアItanium 2 9000番台」を発表(2006/07/19)


( 石井 一志 )
2006/09/07 13:01

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.