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アイ・オー、WSS 2003ベースのNASを発表-システムビジネスの拡大に期待


LANDISK HDLM-GWINシリーズ

ジャンボフレーム利用時は300Mbps以上の転送性能を発揮するという
 株式会社アイ・オー・データ機器(以下、アイ・オー)は10月27日、Windows Storage Server(WSS) 2003 R2ベースのNAS「LANDISK HDLM-GWINシリーズ」を発表した。11月中旬より販売を開始する。ラインアップには、論理容量300GB、500GB、750GBの3モデルを用意した。想定価格はそれぞれ、20万円、26万円、32万円。

 HDLM-GWINシリーズは、アイ・オーとしてはじめてとなるWSSベースのNAS製品。コンパクトな筐体にホットスワップ対応HDDを2台搭載し、自社開発の「DELTA2」ASICによってハードウェアミラーリング(RAID 1)を構成した。利用環境としては、同時接続16台以下を推奨しており、中小規模事業所での使用を想定する。

 管理面では、Windowsのリモートデスクトップ機能を利用する「RAID管理ツール」を用意し、設定や状況の確認を容易に行えるようにしている。また、HDDの不良セクタを検出して正常なセクタと入れ替える「アクティブリペア機能」を搭載。不良セクタの内容を正常なミラーディスクからコピーすることによって、自動的に修復を行えるようにした。

 プロトコルはCIFS/AFP/HTTP/FTP/NFS/DFS/WebDAVに対応。インターフェイスは1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポート(ジャンボフレーム対応)×1を持ち、CPUの強化などによって、既存製品よりも転送性能が向上している。またUSB 2.0×2を備え、プリンタとつなげることによってプリンタサーバーとしても利用したり、USB接続型のUPSと接続して電源のバックアップコントロールを行ったりすることができる。UPSは当初オムロン製に対応し、随時対応機種を拡大していく予定とのこと。

 ソフト面では、WSS 2003 R2の機能を使って、ファイル・フォルダ単位のアクセス制限や、フォルダ単位で最大使用量を制限できるクォータ機能、ファイルスクリーニング機能などが利用可能だ。もちろん、Active Directoryとの連携機能、バックアップソフトによるデータバックアップ機能も備えている。

 またアイ・オーでは、パートナーと連携することによってソリューションとしての体制強化を図る。まずは、インターコムのウイルス対策ソフトとの連携をサポートしたことに加え、今後は、ほかのパートナーが持つセキュリティソフトやバックアップソフトとの連携も進めていく。

 さらに、セキュリティに特化したNASとして、サイエンスパークと「Driver ware Non Copyシステム」を共同開発している。このシステムは、NASであるNon Copyシステム上でのみファイルをコピー・編集できるようにするもの。メール添付や内蔵HDD、USBメモリなどへのファイル保存、コピー&ペーストを禁止して、情報漏えいの防止を実現する。


アイ・オーの細野昭雄社長
 アイ・オーの細野昭雄社長は、「当社の売り上げの4割、270億~280億円がストレージ。その中でNASの売り上げは成長しており、40億円前後の売り上げがある。さらに拡大が期待できる製品だ」との現状を説明。さらに、「当社はこれまでLinuxベースのNASを提供していたが、Windowsサーバー環境のNASも要望が強かった。まだ経験は浅いが、ソリューション提供に近い市場にぜひ参入したい。今までのNASビジネスはシステムビジネスの中に入っていけなかったが、これはその第一歩の製品になると思っている」と述べ、今後への期待を表明した。アイ・オーはマイクロソフトと共同でプロモーション活動を行い、年間約5000台の出荷を見込む。



URL
  株式会社アイ・オー・データ機器
  http://www.iodata.jp/
  プレスリリース
  http://www.iodata.jp/news/2006/10/06_pr025.htm


( 石井 一志 )
2006/10/27 16:33

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