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NEC、スケーラビリティを強化したItaniumメインフレームの上位機を発売


i-PX9000 モデル A200

内部の各コンポーネントは二重化されており、簡単にメンテナンスを行える

執行役員の伊藤行雄氏
 日本電気株式会社(以下、NEC)は11月16日、Itanium 2を搭載するメインフレーム「i-PX9000 モデル A200」を販売開始すると発表した。価格は標準レンタル料金が1230万円(税別)/月からで、2007年3月20日より出荷を開始する。

 i-PX9000は、汎用CPUであるItanium 2をNEC独自の「ACOSアーキテクチャ」に対応させたメインフレーム製品。従来のACOSシリーズと100%のバイナリ互換を確保しているほか、Windows Server 2003、HP-UX、Linuxといったオープン系システムもサポートしており、複数システムで稼働している顧客の業務を統合することが可能になっている。

 新型であるA200は、従来製品「A100」の後継として提供されるもので、最新Itanium 2である9000番台(開発コード名:Montecito)を搭載。1筐体あたり従来の倍となる最大48CPUまでの搭載を可能にしたことに加えて、メモリバンド幅、I/O転送能力も倍に拡大し、システム全体のスループットを2倍程度に拡張したという。

 信頼性の面では、同一のデータを常に2つのメモリブロックに書き込むメモリミラー機能の採用で、メモリに起因する訂正不可障害を100%排除した。また、複数業務を同一筐体内で共存させた場合に発生する、業務間のリソース取り合いを防ぐため、リソース配分目標をあらかじめ設定しておく「ワークロードマネージャ」機能を搭載。この設定は利用中に無停止で行えるため、システムの運用性を向上させることができる。

 加えて、メインメモリとディスクアレイの中間に位置する拡張記憶装置(EMU)を一新し、ノード間光コネクトのデータ転送性能を従来の5倍にあたる10Gbpsへ高速化。この性能向上によって、クラスタシステムの高速化と無停止での運用を可能にした。ソフトでは、オープンシステムとのデータベースの相互運用を可能にする「DataCppdinator/RA」、ACOSのオンライン画面定義ファイルからWebアプリケーションを自動生成する「WebOTX Gateway Builder」も提供される。

 あわせて、記憶容量を8倍の256GB、転送時間を半分にするなど、大幅な性能向上を実現した。さらに、ストレージシステムの4Gbps FC(ファイバチャネル)対応、中速ページプリンタの発売、仮想テープデバイスのラインアップ拡充など、周辺機器の強化も図られている。

 執行役員の伊藤行雄氏は、「メインフレームでは長期のユーザーが多かったが、Itanium 2というプラットフォームの採用で将来への展望が見えたこともあり、更改を積極的に考えていただけるようになった。市場は20%近いマイナス成長ながら、当社は、台数ベースでは年率105%で販売を拡大している」との状況を説明。NECとして積極的にACOS事業にコミットすることで、これまでよりもペースを拡大して、3年間で400台の販売を目指すと述べた。

 なお今後の展望としては、2007年に下位機種である「Sモデル」のラインアップを一新するほか、2008年以降にi-PX9000の次世代機を投入するロードマップを示した。同じく2008年以降には、ブレードサーバープラットフォームである「SIGMABLADE」のラインアップにACOSブレードを追加することも、あらためて表明した。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0611/1601.html


( 石井 一志 )
2006/11/16 14:15

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