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レノボ、ペンと指のマルチ・タッチに対応したタブレットPC

屋外での見やすさを向上するマルチ・ビュー機能も搭載

石井聡子執行役員

ThinkPad X60 Tabletの特徴
 レノボ・ジャパン株式会社は12月5日、マルチ・タッチ/マルチ・ビューディスプレイを初搭載したタブレットPCの新機種「ThinkPad X60 Tablet」を12月下旬から出荷開始すると発表した。中規模・大規模企業向けモデルで、価格は26万1450円。個人向けおよび個人事業主・SOHO・中小規模企業向けモデルについては、異なる仕様と価格で12月下旬に発表する予定。また、あわせて東京大学の教育情報プロジェクト「TREEプロジェクト」の推進に協力し、今回の新機種を提供することも発表された。

 ThinkPad X60 Tabletは、同社が今後のモバイルを支えるシステム基盤として投入してきた第3世代ThinkPadのラインアップに加わるもの。ストラテジー&マーケティング担当の石井聡子執行役員は、「今回の新機種は、リアルモバイルを実現するための携帯性・操作性、セキュリティ、システム基盤のトータルバランスを考えて設計した最先端のタブレットPC。第3世代ThinkPadとしての強力なパワーと堅牢性を備えるとともに、タブレットとしても大幅にユーザーインターフェイスを改良するなど、当社にとって非常に力の入った製品になっている」とし、「これまでタブレットPCはなかなか普及していないが、今後バーチャルオフィス化が進み、タブレットPCがネットワークの中で使われるようになれば、その利便性は大きく広がってくるはず。例えば、ExcelやPowerPointのデータに手書きのチェックを入れるなど、タブレットPCによってバーチャルオフィスでのワークスタイルをより効率化することが可能になる」と述べた。


ThinkPad X60 Tablet タブレットモード ThinkPad X60 Tablet ノートPCモード ThinkPad X60 Tablet ウルトラベース

12.1V型 マルチ・タッチ/マルチ・ビューTFT液晶

アクティブ・ローテーション
 ThinkPad X60 Tabletの大きな特徴は、12インチのマルチ・タッチ/マルチ・ビュー Super Wide Viewing Angle FFS XGA液晶ディスプレイを搭載した点。研究・開発担当の内藤在正取締役副社長は、「最高水準のペン入力環境にタッチパネル機能を融合し、室内野外視認性の高い入力環境を提供することがマルチ・タッチ/マルチ・ビューのコンセプト。業界初のマルチ・タッチ機能によって、ユーザーは従来のデジタイザーペンだけでなく、指先を使った入力操作も可能となり、PCをより直感的かつ自然に使いこなすことができる。一方、マルチ・ビュー機能では、画像のくすみを最小限に抑えるアンチグレア加工、および写り込みを抑えるアンチリフレクション加工を採用することで、屋内だけでなく外出先や屋外でも画面の見やすさを向上している」と説明した。

 また、タブレットモード時に、本体の向きを変えると画面の向きが自動的に変わるアクティブ・ローテーション機能を実装。この機能により、ユーザーはタブレットPCの持ち方を気にせず、常に最適な角度で画面を見ることが可能となった。上下左右への移動を行うナビゲーション・ダイヤルについても、本体の向きにあわせて、自動的にボタンの方向が変わるようになっている。

 さらに、屋内・屋外でのさまざまな使用状況を想定し、各所で改良が施されている。これまでキーボード面に配置していたデジタルマイクをタブレット面に配置して音声認識の精度を向上したほか、タブレットモード、ノートPCモードの両モードで指紋センサーが使えるよう、LCDの下に双方向スキャン指紋センサーを搭載。ワイヤレスLAN/WANアンテナについては、アンテナが体に触れる位置にあるときは電波を出さないように工夫しているという。これら機能と、従来機種から継承している170度の広視野角液晶画面との組み合わせによって、屋内・屋外を問わずタブレットPCのさらなる活用範囲の拡大を実現する。

 デジタイザーペンについては、新たにペン後方に消しゴム機能を搭載。デザインの改善も行い、人間工学的による使いやすい位置にボタンを配置するとともに、今まで以上に触り心地を良くし、使いやすく耐用性にも優れたデザインを採用した。

 筐体には、Hoverデザイン&ドーム構造を採用し、外部圧力から内部を守るハードウェアデザインにすることで、屋外で使用する際の堅牢性を実現している。Hoverデザインでは、マザーボードの真ん中をねじ留めせずに浮かしておくことで、筐体への圧力を外部パーツへ伝わりにくくした。ドーム構造は、液晶の中央を約1mmドーム状に盛り上げることで、液晶画面を外からの衝撃から守る。

 基本機能のパフォーマンスアップも図っており、CPUにインテル Core Duo L2500(1.83GHz)、945GMチップセット、512MB PC2-5300 DDR2メモリ(最大3GB)、2.5インチHDD 80GB(5400rpm)を搭載し、バッテリー時間も4セルで3.3時間、8セルで7.5時間と向上。専用のドッキングベースとしてはThinkPad X6 Tabletウルトラベースを用意しており、USB 2.0×4、VGAモニター出力、マイク入力、ヘッドフォン出力、ステレオスピーカー、ウルトラベイスリム、Ethernetなどを備えている。


 なお、東京大学の「TREEプロジェクト」への協力は、同日に東京大学とマイクロソフト、レノボ・ジャパンの3者によって発表されたもの。今後3者は、同プロジェクトにおいて、ITを活用した次世代の教育環境の研究活用を推進するため、相互に協力していく。具体的には、東京大学が設立した「マイクロソフト先進教育環境寄附研究部門」に、レノボ・ジャパンがタブレットPC新機種を提供。これを活用し、先進的教育環境の開発を行っていく。レノボ・ジャパンでは、今回の教育プログラムへの支援を通じて、将来の日本のビジネスやテクノロジーをリードする人材の育成に貢献することを目指す。


東京大学 教育情報化プロジェクト「TREE」への協力 内藤在正取締役副社長


URL
  レノボ・ジャパン株式会社
  http://www.lenovo.com/jp/ja/
  ニュースリリース
  http://www.lenovo.com/news/jp/ja/2006/12/1205-2.html
  http://www.lenovo.com/news/jp/ja/2006/12/1205treeproject.html


( 唐沢 正和 )
2006/12/05 16:50

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