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富士通、静音・低消費電力を実現したコンパクトIAサーバー

SOHOや小売店などの新市場狙う

PRIMERGY TX120

TX120は、設置面積、静音性、消費電力で業界最高水準を実現している
 富士通株式会社は12月20日、小型/静音/低消費電力を実現したIAサーバー「PRIMERGY TX120」を発売した。

 スリムタワー型デスクトップPCと同等の設置面積となる、縦340×横99×奥行き399mm、395平方cmの省スペース化を実現。店舗のバックヤードや、SOHOのオフィス内など、設置面積が限られるような場所にも設置できるようにした。

 省スペース化の実現のために、2.5型SAS HDDを採用したほか、従来比40%減となる小型電源を新たに開発するなど、各種部品の新規開発や見直しを行った。HDDは、富士通製とSeagate製とを採用している。

 また、静音サーバー「TX150 S5」で採用しているヒートパイプ冷却方式を、TX120の小さい筐体内で実現するために新規開発したヒートシンクを採用。さらに、サーバーの内部温度に応じて筐体冷却ファンの回転数を制御するPWM(Pulse Width Modulation)ファン機能などによって、ファン消費電力を約50%に低減するとともに、ささやき声レベルとなる32dBの静音性を実現した。

 CPUはデュアルコアのXeon 3070(2.66GHz)および3040(1.86GHz)を採用。そのほか、各種低消費電力型の部品を採用することで、サーバー1台あたりの消費電力は、タワーサーバーとしては初めて200Wを切る175W(最大構成稼働時)を実現した。最小構成の待機時は80W。「年間で、杉31本を植林したのと同じCO2削減効果がある」(サーバーシステム事業本部 IAシステム事業部 プロジェクト部長、藤巻秀明氏)という。


TX120の内部構造。CPU、チップセット、I/Oコントローラを一直線上に配置するストレートクーリング方式を採用している TX150 S5(左)と比較すると大幅な小型化が実現されているのがわかる APCと共同開発したUPS(右)もTX120(左)と同サイズ。並べて設置することが可能だ

サーバーシステム事業本部、増田実夫本部長代理
 また、信頼性に関してもPRIMERGYのコンセプトを継承。エンタープライズ向けSAS HDDの採用や、ハードウェアRAIDの標準搭載とホットプラグ対応、DATによるバックアップ装置を内蔵とするなど、24時間運用を可能とする信頼性技術と部品を採用したという。リモートサービス機能も標準搭載している。

 サーバーシステム事業本部 増田実夫本部長代理は、「顧客から要求の高い省スペース、低消費電力、静音性に焦点として製品化した。製品化にあたっては、顧客の声を反映し、一緒になって開発してきたといえる。新しい市場にマッチした製品になるはず」と位置づけたほか、「省スペース、静音、低消費電力で業界最高水準を目指した」(藤巻部長)という。

 富士通では、省スペース化と静音性によって、オフィス内部への設置のほか、SOHOや個人事務所での業務サーバー用途、小売店の店舗サーバーなどへの導入を図る考え。

 価格は、最小構成で18万9000円(税別)から。APCと共同開発したUPSおよびDATを搭載した際の最大構成では48万円(同)。

 今後3年間で3万台の出荷、60億~90億円の事業規模を目指す。まずは、省スペース需要が高い国内市場で展開するが、今後は、海外展開も視野に入れるという。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2006/12/20.html


( 大河原 克行 )
2006/12/20 13:18

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