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HP StorageWorks All-in-One Storage System
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エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ストレージ・ワークス製品本部 プロダクトマーケティング部の大内剛部長
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日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は1月18日、中小規模企業向けの統合型ストレージ製品「HP StorageWorks All-in-One Storage System」(以下、AiO)を発表した。1月下旬より出荷を開始する。
AiOは、1台でファイルサーバー、IP-SANストレージ、バックアップストレージの役割を担うことが可能な統合ストレージ製品。日本HPのIAサーバーをベースに、Windows Storage Server 2003 R2を搭載して製品化された。
この製品を日本HPが提供する背景には、大規模企業を別にすると、日本ではネットワークストレージ導入が進展していないことがあるという。これまでの中小企業では、「ネットワークストレージは、ディスクアレイそのもの以外にSANスイッチやHBAなどが必要で、予算から見て非現実的だったし、ストレージ管理の専門知識を持たない管理者も多く、DASからの移行をちゅうちょしていた」(エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ストレージ・ワークス製品本部 プロダクトマーケティング部の大内剛部長)状況。そこで、機能が統合され、管理も容易になった製品を安価に提供することで、この状況を打破しようとしているという。
AiOは、CIFSでアクセスする通常のWindowsファイルサーバーとして利用できるほか、iSCSIのターゲットモードをサポートし、SQL ServerやExchange Server、その他のアプリケーションサーバーのデータを格納する外部SANストレージとして活用可能。また、スナップショット機能、バックアップ機能が統合されているため、別途バックアップ用サーバーを用意しなくとも、1台で運用することができる。HDDは6基内蔵しており、RAIDは0/1/1+0/5に対応する。
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AiOの管理画面イメージ。この画面は、いくつかあるビューのうち、アプリケーションカットでのもの
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また、機能が統合されているだけでなく、ストレージの専門知識を持たない管理者でも簡単に利用できるように、ユーザビリティの高い管理ツールを用意している点も大きな特徴。ユーザーの管理面での負荷を最小限に抑えられるように注力しているとのことで、具体的には、SQL ServerとExchange Serverに対応した専用のデータ移行ウィザードを用意し、既存のサーバーから手軽にデータを移行できるようにしたほか、共有フォルダの作成ウィザードも備えている。いったん作成したボリュームの容量も、容易にツールから変更可能だ。
また、これらのツールは、すべて共通のGUI管理画面から利用可能になっており、複数のGUIを場面に応じて使い分けるといった煩雑な作業をする必要はない。あわせて、どのアプリケーションで利用されているか、どのサーバーで利用されているか、といったアプリケーション、サーバーのカットからも状況を確認できる画面も用意された。
エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ストレージ・ワークス製品本部 プロダクトマーケティング部の担当マネージャ、瀧澤一彦氏は、このツールについて「何をどうしたいのかを指示するだけで、裏で作業を実行してくれる。ネットワークストレージを利用したいが、ストレージに関して詳しくはない、という場合でも、手軽に利用できるようにした」と説明。さらに、「Exchange Serverのメールストアの容量を増やす場合、これまでは、異なるUIを用いてタスクごとに行わなければならなかったために数時間を要した作業が、10クリック以下で行えるようになっている」と、実例を挙げてメリットを解説した。
価格は、物理容量1.5TB(250GB×6)のSATA HDDモデルが81万9000円、同876GB(146GB×6)のSAS HDDモデルが102万9000円。HDD容量は、外部エンクロージャである「HP StorageWorks MSA30/60」と接続することによって拡張できる。また今後は、より大容量のHDDを搭載したモデルの発売も検討されているとのことで、ユーザーのニーズを見ながらバリエーションの追加を考えていくとしている。
■ URL
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp/
ニュースリリース
http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2007/fy07-029.html
( 石井 一志 )
2007/01/18 13:29
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