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日本HP、UNIXに対応した高信頼ブレードサーバー

DBシステムの運用も可能に

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は3月13日、「第3世代」ブレード「HP BladeSystem」の新ラインアップとして、UNIXに対応した高信頼ブレードサーバー「HP Integrity BL860cサーバブレード」を同日から販売開始したことを発表した。4月1日から出荷開始する。

 新製品は、省スペースながら、HP Integrity Superdomeを始めとしたHP Integrityサーバー製品に搭載されている高信頼性機能や仮想化機能、管理ツールなど、多くの機能を継承する高信頼のブレードサーバー。DRAMチップが2個故障しても継続運用できる「ダブルチップスペアリングメモリ」機能や、HDDのデータセキュリティをより強固にするセキュリティチップモジュール(TPM)などをサポートしている。

 デュアルコアItanium 2プロセッサを最大2個搭載可能で、ミッションクリティカルシステムの構築に最適なHP-UXおよびLinuxをサポートし、2007年下半期にはWindowsのサポートも開始する予定。


HP BladeSystem c-Classの製品ポートフォリオ HP Integrityサーバのラインアップ HP Integrity BL860cサーバブレードのスペックとメリット

日本HP・取締役副社長執行役員の石積尚幸氏

米HP・ビジネスクリティカルサーバ ワールドワイド プロダクトマーケティング ディレクターのブライアン・コックス氏
 日本HPでは、UNIXに対応した今回の製品を、同社が展開するAdaptive Infrastructure戦略をさらに推進させる戦略製品として位置づける。日本HP・取締役副社長執行役員の石積尚幸氏は、「当社は昨年末、合併前の各社が持っていたテクノロジーを集大成した新生HPのブレードサーバーとしてHP BladeSystem c-Classを発表し、x86プロセッサ搭載モデルを中心にラインアップを揃えてきた。今回、このシリーズに、UNIX対応を実現した高信頼モデルを新たに投入する。これによって、HP-UXをフルサポートすることが可能となり、1台でフロントからアプリケーション、さらにはデータベースの運用にも耐えられるミッションクリティカル性の高いシステムまで、HP BladeSystem c-Classの製品ポートフォリオをさらに広げることができる」と説明した。

 また、新製品は、HP BladeSystem c-Class エンクロージャに最大8枚搭載することができ、x86プロセッサ搭載のProLiantブレードと同一の筐体内に混在させることも可能だという。米HP・ビジネスクリティカルサーバ ワールドワイド プロダクトマーケティング ディレクターのブライアン・コックス氏は、「UNIX、Linux、Windowsの異なるシステム環境のブレードサーバーをすべて同じ筐体の中で統合管理できる環境が整った。これにより、スケールアップ可能なミッションクリティカル環境も統合できるだけでなく、ストレージやスイッチ、ネットワークまでも含めたシステム全体の集約も実現可能となった」としている。

 省電力化によって、発熱を抑えたエコロジー設計を採用した点も大きな特徴だ。「IBMやサンと比較して優れた消費電力性を実現している上位機種のHP Integrity rx2660よりも、さらに省電力化を図ることに成功した。サーバー台数2台の場合は約13%程度だが、サーバー台数が8台まで増えると最大で約35%の省電力化を実現できる」(日本HP・エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 サーバプロダクトマーケティング部 部長の森成隆氏)という。


HP BladeSystemの統合管理ツール HP BladeSystem c-Class c7000エンクロージャ HP Integrity BL860cサーバブレード

 「BL860cサーバブレード」の価格は、1.6GHzシングルコアプロセッサ1個搭載のサーバーブレード単体で35万8050円。なお、同社では現在、動作検証済みのORACLE DBクラスタをオールインワンパッケージで提供する「HP シンプルクラスタPack」を展開しているが、これについても新製品をベースにしたパッケージを近日発売する予定。

 さらに、今後のビジネスの立ち上げをスムーズなものとするため、昨年からスタートした「Blade Force Partner」向けの支援プログラムを新製品にも拡大する。具体的には、「BL860cサーバブレード」の検証機器提供プログラム、各種情報提供、技術トレーニング、技術支援などを積極的に行い、パートナーとともに販売拡大を目指す考え。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2007/fy07-069.html


( 唐沢 正和 )
2007/03/13 16:52

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