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アダプテック、SASとSATAに対応したユニファイドコントローラを発売


5製品のスペック
 アダプテックジャパン株式会社は3月28日、1つのストレージ環境で、SAS(シリアル・アタッチドSCSI)およびSATAの両方に対応できるUnified Serial(ユニファイドシリアル)RAIDコントローラファミリの新製品として、PCI Expressに対応した5機種を発表した。

 発売したのは、ロープロファイルで内部4ポートのAdaptec RAID 3405、内部8ポートの同3805、内部12ポートの同31205、内部16ポートの同31605のほか、外部8ポートとし、パスの二重化でデータ転送環境の耐障害性を向上させるデュアルパスフェールオーバー機能を提供する同3085の5機種。ユニファイドシリアルアーキテクチャーベースの12ポート/16ポートの製品は業界で初めて。さらに、デュアルパスフェールオーバーも業界初の機能となっている。


今回発表された5機種 Adaptec RAID 3405 Adaptec RAID 3805

Adaptec RAID 31205 Adaptec RAID 31605 Adaptec RAID 3085

 新製品では、1ポートあたり3Gb/秒というI/Oパフォーマンスに加えて、1つのシステムで、SASおよびSATAの混在環境を実現することから、より柔軟性の高い、拡張性に富んだソリューションを提供できるとしている。

 また、同社の互換性検証ラボを活用することで、Unified Serial RAIDコントローラファミリと、270台以上の各種システムとの互換性を実証しているという。

 また、これらの製品は、先進のRAIDレベルと機能を備えたAdvanced Data Protection(ADPS)を標準でサポート。ホットスペースをはじめとするアダプテックのデータ保護機能や、自動的なホットスペアの管理を改善するコピーバックホットスペア機能を提供するほか、同社独自のAdaptec Storage Manager(ASM)によって、ひとつのコンソールから複数のサーバーを一括監視できる機能を標準で提供する。

 価格は、すべてオープンプライス。「SAS並の価格ではなく、SATA並の価格になる」(同社)としている。


アダプテックジャパン・高野亨氏
 「システムビルダーに対しては、開発や試験を行うバックプレーン工数の削減を実現できるほか、リセラーにとっては、アプリケーションに応じた販売部品構成を容易な形で対応できるようになる。エンドユーザーには将来を見越したシステムへの投資が可能になり、同時にTCOの削減につながるだろう」(アダプテックジャパン・高野亨氏)としている。

 同社では、SIer向けの評価キットプログラムを提供するほか、SIerやVARを対象にしたセミナーを4月4日、12日にそれぞれ開催する予定。また、互換性テストの結果をコンパチビリティレポートとして、同社Webサイトで提供する。

 また、同社では、データ保護方法をユーザー自身がチェックできる15分間セルフチュートリアルを、サイト上に用意する。現時点では英語版だが、4月には日本語版も用意する予定。


Adaptec 29320LPE Ultra320 SCSI HBA

米Adaptecデータ保護ソリューショングループ ブランド・プロダクト・ディレクターのスラッシュ・パニカー氏
 一方、同社では、PCI Express対応のロープロファイルUltra 320 SCSIシングルチャネルホットバスアダプタを発表した。ワークステーションやサーバー、テープドライブ、テープライブラリ、ディスクドライブおよびRAIDアレイを含むサーバーへのSCSIデバイスを提供する。

 「SCSIのアーキテクチャー、ドライバをそのまま利用できる互換性を確保している。SCSIのバックアップデバイスは、過去の資産との互換性の問題や、安価に入手できるといった点からも、いまだに選択肢のひとつとなっている。テープドライブなどへの対応を中心に、根強いSCSI需要に向けて投入した」(高野氏)としている。

 今回の製品発表にあわせて来日した米Adaptecデータ保護ソリューショングループ ブランド・プロダクト・ディレクターのスラッシュ・パニカー氏は、「アダプテックは、創立からちょうど25周年を迎えた。当社には、確立されたブランド力、あらゆるI/Oソリューションをカバーする業界随一の製品ラインアップ、業界全体を網羅したエコシステムによるソリューションが提供できるという、3つの強みがある。また、IT JUST WORK(すぐに使える)というコンセプトのもとに製品化しており、IBM、NEC、HPなどの大きな顧客への導入実績もある。HBA(ホットバスアダプタ)、RAIDコントローラといった分野へのフォーカスのほか、かつてのパラレルSCSIでのリーダーシップに続き、現在ではSASおよびSATAにおいて、テクノロジーリーダーシップを維持している。また、新たな市場の成長に向けた組織体制を確立している点も特徴だ。こうした成長分野にフォーカスを当て、今後も高い成長を遂げていく」などとした。

 SASの市場規模は、年平均成長率62%増に達し、SATAでは47%増の高い成長を遂げている。また、サーバーも2010年に向けて年率31%増で成長すると予測されている。


日本シーゲイト、フィールドアプリケーションエンジニアリング部の佐藤之彦氏
 また、会見に駆けつけた日本シーゲイトのフィールドアプリケーションエンジニアリング部の佐藤之彦氏は、「SASとSATAは、性格が異なり、用途が異なる。今回の製品は、顧客、シスムテインテグレータに対して、大きなフレキシビリティをもたらすものであり、フロントエンドには最新のSASのパワーを生かし、バックアップにはギガビット単価効率の高いSATAを活用するなどといった使い方が柔軟にできるようになる」とした。



URL
  アダプテックジャパン株式会社
  http://www.adaptec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.adaptec.co.jp/news/pr070328_01.html
  http://www.adaptec.co.jp/news/pr070328_02.html
  コンパチビリティレポート
  http://www.adaptec.com/en-US/_common/compatibility/


( 大河原 克行 )
2007/03/28 13:09

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