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製品ラインアップ
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伊藤行雄執行役員
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日本電気株式会社(NEC)は5月9日、業界で初めて業務を停止することなくストレージのアップグレードや構成変更を実現する次世代スケーラブルSANストレージ「iStorage D8」を発売した。
iStorage D8は、複数のストレージノード間を高速スイッチで連結するビルディングブロック構造と、キャッシュモジュールにマイクロプロセッサを配置したインテリジェントキャッシュによる分散キャッシュ方式を実現したスケーラブルテクノロジーを、業界で初めて搭載。サーバー接続アダプタ、キャッシュメモリモジュール、ディスク接続アダプタなどの物理ストレージリソースを仮想ストレージに割り当てるリソースマネジメントテクノロジーを搭載している。
これにより、業務を停止せずに1.1ペタバイトまでの容量追加を実現するとともに、最小1ノードから最大4ノードまでの拡張を可能にしたほか、ストレージ物理リソースを業務タイプに応じた割当/変更が容易にできるという。
また、データセンター環境に配慮したMAID技術を採用。バックアップ用HDDは、アクセスしない時間帯にはドライブの回転を抑制することで、最大30%の省電力化が可能になるという。
さらに、モジュール構造を用いることで、障害発生時のシステム停止の極小化を実現したほか、3つの電源が故障した場合でも業務継続が可能だという。加えて、業界初のトリプルミラー機能を搭載することで、「RAID 1の性能を実現しながら、RAID 6の冗長性を兼ね備えた究極のRAID環境を達成できる」(伊藤行雄執行役員)としている。
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iStorage D8
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スケーラビリティを向上
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仮想化テクノロジーによりリソースを自在に割当可能
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リソースマネジメントテクノロジー
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障害発生時のシステム停止の極小化を実現
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業界初のトリプルミラーの標準装備など可用性を強化
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丸山好一執行役員常務
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NECの丸山好一執行役員常務は、「昨年7月に当社が発表したREAL IT PLATFORMの第1段階を実現する、締めとなる重要な製品。企業においては、年率1.6倍で増大するデータ量への対応や、個別最適化で導入されたストレージ管理の複雑化、ストレージシステムの構成を変えていくための労力とリスク、そして、グローバル化において、24時間365日の運用が前提となっていることにより、システム停止そのものが企業の社会的信用の低下につながる、といった問題に直面している。こうした課題に対するNECの回答が今回の製品。先進仮想化テクノロジーを採用することで、柔軟な拡張性、快適な運用性、安心の可用性といった点での強化を図った。圧倒的な製品力を持った自信の製品といえる」とした。
希望小売価格は、498万円(税別)から。企業内基幹システムやデータセンター、キャリア系データセンターなどをターゲットする。
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iStorage D3
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また、同社では、中小規模システム向けのエントリーおよびローエンドモデル2機種を追加し、iStorage D8とともに、iStorage Dシリーズとして展開していく。
従来のiStorage Sシリーズに比べて最大2.2倍の価格性能比を実現したエントリーモデルの「iStorage D1」およびローエンドモデルの「iStorage D3」で、いずれも、2Uのスペースに12台までのHDDを搭載することが可能。また、ストレージに関する専門知識がなくても、簡単な導入を実現する「構築ナビ機能」を提供しているのも特徴。「構築ナビ機能によって、手間は約3分の1に、時間は3分の2に削減できる」(伊藤行雄執行役員)としている。
希望小売価格は、iStorage D1が125万円(税別)から、iStorage D3が300万円(同)から。
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iStorageシリーズとして、今後ハイエンドNASや次世代グリッドストレージを投入
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丸山好一執行役員常務は、「NECは今年、ストレージ旋風を巻き起こす。今回の製品に続いて、近々、iStorageシリーズとして、ハイエンドのNAS製品を投入し、さらに、バックアップソリューションとして次世代グリッドストレージのHYDRAStorを投入する。4月には、海外事業を強力に推進するためにITプラットフォームグローバル事業推進本部を約50人体制で設置した。日本では5月22日から次世代ストレージ製品群を順次出荷し、北米、欧州、アジア・太洋州地域には、6月から順次出荷する。今後3年間は、ストレージ事業全体を年率130%で伸張させ、トータルで1500億円の事業規模を目指す」としている。3年後には、海外出荷比率が50~60%を占めることになるという。
なお、今回の製品発表は、東京・三田のNEC本社ビルで開催されたが、本社正面入口に大きな看板を掲示していた。過去に本社で行われた記者会見では、こうした告知の掲示は、社長会見などを含めて例がない。それだけ、今回の製品には力が入っていることの証ともいえそうだ。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0705/0901.html
( 大河原 克行 )
2007/05/09 13:12
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