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ストレージシステム事業本部長の上田孝一氏
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富士通株式会社は5月9日、エントリーディスクアレイ「ETERNUS2000」を発表した。利用シーンに応じた3モデルを開発し、同日より順次、全世界で販売を開始する。
ETERNUS2000は、2Uラックマウント型のエントリーディスクアレイ。最大12台のHDDを搭載できる「モデル50」、上位クラスと同じDisk to Diskによる高速コピー機能を備えつつ、最大24台のHDDを搭載できる「モデル100」、最大72台のHDDを搭載できる「モデル200」と、利用シーンに併せて幅広いラインアップをそろえた。
ストレージシステム事業本部長の上田孝一氏は、「ストレージシステム市場の伸長率が全体的に横ばいである一方、当社は順調な伸びを見せている」ことに言及。そんな中、ディスクアレイへのニーズとしては「従来、大規模システムで求められていた要件が、中小規模システムでも求められるようになってきた」と説明した。
そこでETERNUS2000では、エントリーディスクアレイに求められる「低価格」「コンパクト」「低消費電力」「静音性」「導入・管理の容易さ」といった要件を満たしつつ、「高い拡張性」「高速コピー」「高い信頼性」といった上位クラスの要件にも対応することが、開発の狙いだったという。これにより、売上高シェア第6位と出遅れた感のあるローエンドディスクアレイ市場で巻き返しを図る意向だ。
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ETERNUS2000ラインアップ
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ETERNUS2000 モデル50
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ストレージ事業本部 ストレージ事業部長の工藤哲郎氏
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製品の特徴は、まずコンパクト・省エネ・静音設計であること。従来、大きなスペースを占めていたRAIDコントローラや外部・内部インターフェイスを制御する複数のチップを1チップ化。部品点数を約6割カットすることで、最薄約9cmのコンパクト化と従来比最大40%の消費電力削減に成功した。また、アクセスしていないHDDの回転を停止させる「エコモード」や、外気温に応じてファン回転速度を制御する「多段階ファン制御方式」によって、さらに15%の消費電力削減と42dBという図書館並みの静音性も実現したという。
拡張性も主要な特徴の1つで、モデル200では、最大72台のHDDを搭載可能というミッドレンジにも届く拡張性を実現。搭載できるHDDは、1万5000rpmの高性能SAS HDD(最大容量300GB)と7200rpmのニアラインSATA HDD(最大容量750GB)。これらを1台の筐体に混在させることが可能だ。
運用性としては、日本語のGUIメニューを備え、知識のない人でも簡単に設定、運用、管理が可能とのこと。
ストレージ事業本部 ストレージ事業部長の工藤哲郎氏はさらに、「こうした要件のほかに、コントローラや電源、ファンなど主要コンポーネントを二重化するとともに、同一RAIDグループ内のHDDの二重故障時にもデータを保持できるRAID6、格納されるすべてのデータのチェックコードを付与してデータの整合性を保証するブロックガード機能などをサポート。上位クラスの高い信頼性も継承させた」とアピールした。
価格は、モデル50が99万9000円(税別)から、モデル100が188万円(同)から、モデル200が425万円(同)から。高速コピー機能を備えた製品を従来比40%という低価格で提供する形になる。
富士通では、こうした高い費用対効果を訴求するとともに、チャネルビジネスの拡大に努め、今後2年間に、国内外あわせて1万2100システムの販売をめざす。
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部品点数、基盤サイズを60%縮小化。複数チップの1チップ化にも成功
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コンパクト化および省エネを実現
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■ URL
富士通株式会社
http://jp.fujitsu.com/
プレスリリース
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/05/9.html
( 川島 弘之 )
2007/05/09 15:48
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