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日本HPがVista搭載のブレードPCを発表、XPとの混在も可能

シンクライアントの適用範囲を拡大する施策の第1弾

パーソナルシステムズ事業統括 執行役員 マーケティング統括本部長の松本光吉氏

HP CCI概要
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は6月14日、シンクライアント市場のシェア拡大を目指し、クライアント統合ソリューション「HP CCI(Consolidated Client Infrastructure)」を強化すると発表した。シンクライアントの適用領域の拡大とユーザーの利便性向上のため、「リモートクライアントソリューション(RCS)」という新しいソリューション戦略を定義するとともに、強化施策の第1弾として、Windows Vista Businessを標準搭載したブレードPCの新製品「HP bc2000 Blade PC(以下、HP bc2000)」を投入。併せて、シンクライアント接続・管理ツールの強化や、販売体制の強化なども行っていく。

 パーソナルシステムズ事業統括 執行役員 マーケティング統括本部長の松本光吉氏によれば、「シンクライアント市場は、インターネットカフェをはじめ、公共施設、コールセンター、病院、工場、銀行など、さまざまな市場へと広がりを見せている」とのこと。同市場に対しては、従来よりHP CCIというインフラソリューションを提供している日本HPだが、こうした昨今の市場拡大をかんがみると、シンクライアント利用シーンの幅を広げていく必要性を感じているという。

 そこで日本HPでは、新たにRCS戦略を定義。ブレードPCやブレードワークステーションなども含めた広い枠組みの中から、顧客のニーズに即した最適なソリューションを提供するために、シンクライアントの利用想定シーンを拡大。「通常のビジネスPC代替だけでなく、ブラウザ端末やVoIP、POSなどの専用端末、さらには金融トレーディングなどのハイパフォーマンス端末としてなど、その適用領域を拡大していく」(松本氏)意向だ。

 今回のHP bc2000は、そうした強化施策の第1弾目の製品となる。特徴はWindows Vistaを標準搭載したこと。1台のエンクロージャに20枚搭載することが可能で、一般的な42Uラックでは280枚搭載できる同製品では、同一ラック内でWindows Vista/XPの混在環境を実現できる。そのためWindows Vistaの検証用として利用できるなど、「OS移行を推進したい当社にとっては、非常に戦略的な製品となっている」(松本氏)とのこと。そのほか仕様としては、プロセッサにAMD Athlon 64 2100+を、メモリにPC2-5300(667MHz)DDR2-SDRAM(標準1GB、最大4GB)を採用したほか、80GBのSATA HDD(5400rpm)を搭載した。

 価格は、14万700円。10パックで136万5000円としている。販売開始は6月14日から。


HP bc2000の特徴。AMD Athlon 64プロセッサを採用し、低電圧性を実現した HP bc2000

テクノロジーソリューション事業統括 執行役員 エンタープライズストレージ・サーバー統括本部長の松本芳武氏
 併せて、クライアントに送信するデータを圧縮してスムーズな画面表示を実現する「HP Remote Graphics Software(以下、HP RGS)」を強化。これまでワークステーションなどのみで利用可能だったHP RGSをブレードPCにも最適化した。またシンクライアントからブレードPCへログインする際の、リモートデスクトップ接続を管理する「HP Session Allocation Manager(以下、HP SAM)」もHP RGSに対応させ、同時に利用できるようにした。

 「HP SAMにより、シンクライアントでのセッションの動的割り当てが可能。例えば、作業中にシンクライアントの接続を切り、別端末で再度ログインした際に作業状況を継続させたり、ログイン中のブレードPCが故障した際に動的に別のブレードPCに接続したりすることが可能になる」(松本氏)。

 日本HPでは、こうしたRCS戦略を加速するための主要な施策として、1)サーバー・ストレージ分野との連携強化、2)パートナーとの協業強化、3)専任の営業・コンサルティング部隊の配置の3点を掲げる。

 具体的な内容として、テクノロジーソリューション事業統括 執行役員 エンタープライズストレージ・サーバー統括本部長の松本芳武氏が、両事業で協力していくことが重要とコメントするとともに、RCS事業に特化した専門部隊「RCS市場開発部」を新設したことを明らかにした。さらに現在13社のHP CCIのSIパートナーとの協力体制もこれまで以上に強化していく意向も見せた。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2007/fy07-112.html


( 川島 弘之 )
2007/06/14 16:09

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