Enterprise Watch
最新ニュース

デル、新PCブランド「Vostro」を発表-SMB向けにデスクトップ・ノートPC5製品を投入


Vostroコンセプト

ホーム・スモールビジネス・マーケティング本部 ディレクターの小林治郎氏
 デル株式会社は7月11日、スモールビジネス(SMB)向けの新PCブランド「Vostro」を発表した。併せて、同ブランドコンセプトを反映したノートPC3製品とデスクトップPC2製品を、同日から販売開始する。

 従来デルには、コンシューマ向けに「Dimension」「Inspiron」、大企業向けに「OptiPlex」「Latitude」を提供する一方で、SMB向けにはっきりとコンセプトを打ち出したブランドが存在しなかった。そのため大企業向けの高機能は必要なく、コンシューマ向けの体験版ソフトといった細かい機能も必要がないSMBユーザーにとっては、デルのPCを購入する際、その選定に迷ってしまう一面があった。

 そこで今回、Vostroブランドを新たに展開。「スモールビジネスのニーズを満たす最適なパッケージ」とホーム・スモールビジネス・マーケティング本部 ディレクターの小林治郎氏が表現する同ブランドにて、SMBに特化した営業組織を立ち上げ、余計な体験版ソフトを含まない製品を、24時間365日電話サポートを標準とし、大企業向けだった「ゴールドテクニカルサポート」も組み合わせて提供していく。「単純に製品を提供するだけではなく、必要と思われるソリューション、リソース、サービスを組み合わせているのがVostroのコンセプト」と小林氏。「こうした施策をパッケージ化して、明確にSMB市場へ打ち出していくものだと理解してほしい」と語った。ちなみに“Vostro”とはラテン語で“あなたのもの”という意味だそうだ。

 そのVostroの名を冠して今回発表されたのが、デスクトップPCの「Vostro 200 ミニタワー」「同 200 スモールタワー」、ノートPCの「同 1000」「同 1400」「同 1500」の計5製品。

 クライアント製品マーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャーの松尾圭介氏が、「コンパクトながらも高い拡張性を持つデスクトップPC」と説明するVostro 200シリーズでは、Windows XP Home Edition、Celeron 420、512MBメモリ、80GB SATA HDD、NVIDIA GeForce Go 8300 GS(128MB DDR2)を標準搭載。拡張すれば、Windows Vista、Core 2 Duo E6600、メモリ最大4GB、500GB SATA HDDといった構成も可能。筐体サイズにより拡張性に差があるだけで、基本スペックに違いはほぼないといえる。

 最小構成価格は、Vostro 200 ミニタワーが5万6700円、同 200 スモールタワーが5万8800円。


クライアント製品マーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャーの松尾圭介氏 Vostro 200 ミニタワー 同 200 スモールタワー

Vostro 1000/1400/1500
 一方のノートPCでは、AMD製CPUを採用したモデルを投入するなど、若干多彩な仕様となっている。Vostro 1000では、Windows Vista Home Basic、AMD Sempron 3500+(1.8GHz)、512MBメモリ、60GB SATA HDDなどを標準搭載。ディスプレイにはWXGA(1280×800ドット)表示可能な15.4型光沢液晶を採用している。こちらも拡張すれば、CPUにAMD Turion 64 X2 TL-56、メモリ最大2GB、120GB SATA HDDといった構成で購入が可能だ。

 残りのVostro 1400および1500は、インテルのプロセッサを採用したモデル。ともにWindows Vista Home Basic、Celeron 540(1.86GHz)、80GB SATA HDDを標準搭載。違いはVostro 1400では512MBメモリ、14.1型TFT液晶ディスプレイを、Vostro1500では1GBメモリ、15.4型TFT液晶ディスプレイを標準で搭載する点などだ。拡張すれば、ともにCore 2 Duo T7500、メモリ最大4GB、160GB SATA HDDといった構成も可能。

 そのほかノートPCの特徴としては、200万画素Webカメラ、電源OFFのままメディアファイルなどを操作できる「Dell MediaDirectボタン」、IEEE 802.11n対応ワイヤレスLAN、Bluetooth 2.0、8-in-1メモリカードリーダなどを備える。

 最小構成価格は、Vostro 1000が6万5100円、同 1400が7万3500円、同 1500が8万6100円。


サービスマーケティング本部 シニアマネージャーの橘宏至氏
 今回はさらにサービスやサポートを刷新。「基本サービスを拡充するとともに、価格設定を見直す」(サービスマーケティング本部 シニアマネージャーの橘宏至氏)としている。Vostro全製品で共通の標準サービスとしては、24時間365日電話サポートのほか、リモート操作でトラブルを解決するソフト「デルコネクト」、必要な情報へ簡単にアクセスできるヘルプ用ソフト「デルサポートセンター」、メンテナンス箇所を自動検索するソフト「デルサポート」などが提供される。

 そのほか有効期間1年間の「引き取り修理サービス」などが標準で提供されるが、こちらは追加費用を払えば、3年間に延長したり、翌営業日出張修理サービス、故障・盗難による損害をカバーするサービス「コンプリート・ケア」、専用ダイヤルで24時間の問い合わせを受ける「ゴールド・テクニカル・サポート」を追加したりすることが可能。


Vostro共通の標準サポート デスクトップPCのサポートにおけるアップグレードパッケージ ノートPCのサポートにおけるアップグレードパッケージ。海外出張時にも対応可能なインターナショナルサービスなども提供する

 最後に小林氏は、「創業して23年のデルだが、その原点はSMBにある。そんなデルだからこそ、これからも日本のSMBユーザーとともに成長していきたい。Vostroは今後もデルが、SMB市場にフォーカスしていくというコミットメントの証だ」と語った。



URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/
  プレスリリース
  http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pressoffice/2007/070711?c=jp&l=ja&s=corp


( 川島 弘之 )
2007/07/11 19:04

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.