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EMCジャパン、750GB SATA HDDを全面採用した新世代ストレージ製品群

ハイエンドアレイからローエンドNAS、管理ソフトまでの新製品を提供

 EMCジャパン株式会社は8月7日、エントリークラスからハイエンドクラスまでのストレージ製品群において、新モデルを投入すると発表した。大容量の750GB SATA HDDを全面的に採用するほか、管理者の負荷を軽減する機能などを盛り込んだ。

 今回発表されたのは、ハイエンドストレージアレイ「EMC Symmetrix DMX-4」、ハイエンドストレージ向けOS「Enginuity 5772」、ミッドレンジストレージ向けOS「CLARiX FLARE 26」、NAS製品「Celerra NS20」、ファイルアーカイビング向けアプライアンス「Rainfinity File Management Appliance」、アーカイブストレージ「EMC Centera 第4世代LPノード」、ストレージリソース管理ソフトウェア「EMC ControlCenter 6.0」の7つ。


EMC Symmetrix DMX-4

マーケティング統括本部 プロダクト・マーケティング部長の住谷忠亮氏

Celerra NS20
 まずハイエンドのストレージアレイ「EMC Symmetrixシリーズ」においては、最上位となる「同 DMX-4」を発表した。4Gbpsのバックエンド接続をサポートしてパフォーマンスを強化したことに加えて、バックエンドをポイントトゥポイント接続化し、障害ディスクの切り分けを迅速化したという。また、750GB SATA HDDの採用で高密度化、省スペース化を実現。さらに、パワーユーザー向けにGUIベースのデバイス管理ツールを追加し、「顧客自ら、簡単に管理運用を行ってもらえるようにした」(マーケティング統括本部 プロダクト・マーケティング部長の住谷忠亮氏)。提供開始は8月27日より。価格は未定という。

 またハイエンド製品向けストレージOS「Enginuity」の新版「同 5772」を同時にリリース。全体的なパフォーマンスを25~30%高速化させるとともに、TimeFinder/Clone、EMC Symmetrix Remote Data Facility(SRDF)といったストレージソフト利用時の複製速度、同期速度を大幅に高速化できたという。今後は、2008年第1四半期にシンプロビジョニング機能の拡張も予定されている。新版は、「Symmetrix DMX-3」の保守契約ユーザーに対しては無償で提供される。提供開始は9月30日より。

 ミッドレンジストレージの分野では、CLARiX用ストレージOSの新版「CLARiX FLARE 26」をリリースする。新版では、コンソールのIPアドレスを制限することによるセキュリティの強化、iSCSIにおけるネイティブレプリケーションのサポートなどに加えて、ダブルパリティのRAID 6やチャネルフェイルオーバー機能の「Asymmetric Logical Unit Access」に対応し、可用性を向上させた。また、この製品でも750GB SATA HDDをサポートする。提供開始は9月1日より。

 NAS製品においては、エントリーモデル「Celerra NS20」を投入する。NAS/iSCSI接続によるIPストレージの機能だけでなく、ファイバチャネル(FC)用のインターフェイスも提供され、「オールインワンの接続性を実現した」(住谷氏)。750GB SATA HDDのサポートによって、大容量化と消費電力の効率化も実現する。さらに、新しい設定ソフトウェア「Celerra Startup Assistant」を利用すれば、電源を入れてから本番環境の稼働までを15分で行うことも可能という。なお、Celerra Startup AssistantとFC対応は、既存製品の「Celerra NS40」に対しても適応されるとのこと。NS20の価格は実効容量1TBのモデルで440万円から。9月1日の提供開始となる。


Rainfinity File Management Appliance

執行役員 マーケティング兼パートナーアライアンス統轄本部長の古谷幹則氏
 ファイルアーカイビング向けには、エントリーレベルのアプライアンス「Rainfinity File Management Appliance(FMA)」を提供する。このアプライアンスは、既存製品「Rainfinity Global File Virtualization(GFV)」の持つ機能のうち、ファイルアーカイブのポリシー管理機能を切り出したもの。CelerraだけでなくCentera、ネットアップ製のストレージにも対応し、NASインフラストラクチャ全体の容量とパフォーマンスを管理できる。後から、Rainfinity FMAを同 GFVへバージョンアップすることも可能だ。価格は490万8750円からで、9月1日より提供を開始する。

 アーカイブストレージ「EMC Centeraシリーズ」でも、最新版となる「EMC Centera 第4世代LPノード」が提供される。750GB SATA HDDの採用でノードあたりの容量が50%増となったほか、容量あたりの消費電力を67%削減した「環境にやさしい」製品だという。セキュリティ面においても、認証機能やシステムログ機能、監査機能が向上している。価格は950万2500円から。8月7日より提供を開始する。なお、第2世代、第3世代Centeraとの混在はサポートされているとのこと。

 最後のストレージリソース管理ソフトウェア新版「EMC ControlCenter 6.0」では、仮想化された論理サーバーが、どの物理ストレージを利用してるかを管理する機能を盛り込むことで、管理者の負担を軽減するという。価格は112万1900円からで、提供開始は8月17日より。

 執行役員 マーケティング兼パートナーアライアンス統轄本部長の古谷幹則氏は、「これからは情報量の爆発的な増加が見込まれるが、情報量が増えても担当者は増えないので、1人あたりが扱う情報量が増える。これを解決するには管理性を向上させないといけない」と指摘。運用管理面を考慮した「人にやさしい」、低消費電力の「環境にやさしい」、セキュリティ機能を高めた「情報の保護にやさしい」、顧客の投資を継続的に保護する「懐にやさしい」といったメッセージを掲げて、製品を展開していくとしている。



URL
  EMCジャパン株式会社
  http://www.emc2.co.jp/


( 石井 一志 )
2007/08/07 14:41

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